日本の商業的で、メロドラマ的なクリスマスは好きではありません。ハロウィンの後に一気にやってくるクリスマスムードには違和感を感じるほうです。
先日、友だちともそんな話になりました。
1カ月に1つは何かしらのイベントが作られていて
↓
1月―お正月
2月―バレンタイン
3月―ホワイトデー
4月―イースター
5月―母の日、ゴールデンウィーク
6月―父の日、ジューンブライド
7月―七夕
8月―お盆
9月―シルバーウィーク、敬老の日
10月―ハロウィン
11月―サンクスギビング、ボジョレー解禁
12月―クリスマス
これって完全にお金使わせる作戦よね~、日本人って踊らされちゃってるよねぇ。って話になりました。
昔はお盆と正月くらいで、あとは節分やお彼岸、夏至や冬至など、祖先や自然に感謝する行事が多かったのに、そういう伝統的な行事が廃れ、けばけばしい外来の行事ばかり。外来の行事も、本来の意味合いを大切に受け継いでいれば異文化理解になっていいと思うのですが、本来の意志は無頓着で、何を買うか、何を食べるか、何をするかということだけを取り入れてしまっています。
私はハロウィンもバレンタインもクリスマスも、今の感じはあんまり好きになれません。楽しむのもいいと思いますが、少し、本来の意義を考える姿勢、まわりがやっていることをそのままというのではなく、自分はどんなふうにそれをしたいのかどうか、こういったことを考える時間を持ってもらえたらなぁと思ったりします。
第265代ローマ教皇のベネディクト16世も2005年12月にこんな懸念を寄せています。
"現代の消費社会の中で、この時期が商業主義にいわば「汚染」されているのは、残念なことです。このような商業主義による「汚染」は、降誕祭の本来の精神を変質させてしまう恐れがあります。降誕祭の精神を表すのは、精神の集中と、落ち着きと、喜びです。この喜びは、内面的なもので、外面的なものではありません。"(カトリック中央協議会のwebsiteより)2012年にもフィナンシャル・タイムズ紙に次のように寄稿しています。
"「クリスマス、深く内省を」 ローマ法王、経済紙に寄稿
【ローマ=石田博士】世界的な金融危機の中、ローマ法王ベネディクト16世は20日付の英フィナンシャル・タイムズ紙に寄稿し、クリスマスという機会に社会の課題と向き合って内省するよう呼びかけた。経済紙への法王の寄稿は極めて異例だ。
法王は「クリスマスには聖書を読んで学ぶべきだ。政治や株式市場など俗世のできごとにどう関わるべきかの啓示は、聖書の中に見つけられる」とし、「貧困と闘わなければならない。資源を公平に分かち合い、弱者を助けなければならない。強欲や搾取には反対すべきだ」と呼びかけた。
また今年を「多くの人にとって経済的に苦しかった年」と記し、「クリスマスはとても楽しいが、同時に深く内省すべき時でもある。私たちは(キリストが生まれた)つつましく貧しい馬小屋の光景から何を学べるだろう」とつづった。
(朝日新聞デジタル2012年12月23日22時50分)(FT原文はコチラ)"
商業主義に汚染されているのは日本だけではないのかも。現状は「深く内省すべき」とは真逆の雰囲気。どんな行事も、表面的にお祭り騒ぎをして散財する「楽しい!」は一過性のものだけど、その根本にある精神を大切にしたら持続する深い喜びがやってくると思います。
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