20130729

参院選の記憶―その4

投票率アップは大切なことなんだけど、
「投票に行かない奴は無責任だ!」という批判とか、
「投票に行ってください!」の連発
みたいなのはなんだかなーと思っていました。

だって、行かないからって責められたら
ますます意固地になりたくなる。

投票に行かないと組織票を超えられなくて、
変化を起こせないことはあまり知られていないと思います。
私は昨年知りましたが、どのくらい知られているのでしょうか?

20130727

参院選の記憶―その3

今回の選挙で新しく知ったことは、日本の選挙制度の問題点。

海外の目も厳しくて、「放射能を海にも大気にも出して、世界中に迷惑をかけているのに、唯一の原発推進党を選ぶなんて、日本国民は何を考えているの!」という怒りの声を受けると、海外で演説をしてきた活動家の方から聞いたことがあります。私が外国人だったらおんなじこと思うと思う。

でも、世論調査では国民の6~7割が原発反対、中小企業の社長さんの約9割は原発反対、リスクが大きすぎて胸を張って原発推進などと言える人は大企業にだってもういない(ピースオンアース2013のトークステージで聞いたお話)という状況なのに、なぜ国会では原発推進の人たちが大多数を占めているんでしょうか。

参院選の記憶―その2

2013年7月21日の参議院選挙が終わり、感じたこと、心に残ったこと、新たに知ったことを少しずつ、書き残しておきたいと思います。その1は→「参院選の記憶―その1」に綴っています。

やっと日本にもできた緑の党に投票ができるというのがうれしいことでした。

20130724

参院選の記憶―その1

2013年7月21日の参議院選挙が終わりました。感じたこと、心に残ったこと、新たに知ったことを少しずつ、書き残しておきたいと思います。

一番うれしかったのは、友人からのメール。私のフェイスブックでの投稿を見て、適当に投票したり棄権することの恐ろしさを知ったから、これからはきちんと候補者のことを調べて考えて投票したいという感じの内容のメールをもらって、ものすごくうれしかったです。

20130715

映画『世界が食べられなくなる日』を観てきました

映画『世界が食べられなくなる日』   
現在、全国各地で自主上映が広がっているドキュメンタリー映画、
世界が食べられなくなる日
(仏原題:Tous Cobayes?[直訳すると「みんな、モルモット?」])
を観てきました。

暴走する二つのテクノロジー、
原子力と遺伝子組換え技術(GM)についてメスを入れた映画です。
どちらも十分な科学的研究がなされないまま、
ごく一部の富める人々の利益のために蔓延させられ、
私たちは実験台にされています。
それで、原題は「みんな、モルモット?」です。

20130714

7・21参議院選挙に向けておもうこと

7月21日は参議院選挙。最近、選挙のことで頭がいっぱいです。

環境を破壊する公共事業で一部の大企業を潤わせ、
(自民党が建設団体に多額の献金を要求していたニュースもありました)
いのちを顧みず、一部の大企業の利益のための政策が
昨年12月以降、どんどん進められています。

ダム事業の見直しで凍結されていた83箇所のダム建設は次々と復活し、
その中には、北海道のサンル川流域にある
アイヌ民族の聖地がまた水没させてしまうものもあります(水源連より)。

原発は推進する、TPPには参加する、憲法は変える
(平和憲法だけではありません)、
もう滅茶苦茶だと思うのですが、最近のニュースでも、
首相が先導しての原発輸出住宅地での化学兵器製造など驚くものばかりです。

20130710

畑で思ったこと

畑で虫や草花の観察をするのは
世の中の学びの時間です。

どの生き物も草花も
取り過ぎることなく、与えすぎることなく、
みんなそれぞれ自分が生きるためのことをやり、
それがほかの生き物のためになって
世界がまわっています。

虫の世界には、
稼ぎが大きいからエライとか、
小さいからバカにされるとか、
グループのなかで指揮を取るから上だとか、
与えられた役割を果たしているだけだから下だとか、
そういう価値観が存在していないように思えます。

仕事を出すほうがえらいとか、
雇われてるから従わないといけないとか、
リーダーだから役割が上になったとか、
専門家じゃないから言っちゃいけないとか、
そういう考え方は、人間の世界だけなんだと気がつきます。

私は人間だから、人間の世界の“常識”には
ある程度則って生きて行かなければなりませんが、
必ずしもそれが絶対ではないと知るとほっとします。

人間のこの世界でも、
そういう価値観を持っていない人にときどき出会います。
「誰もがリーダーだったらこの世界はバラバラになってしまうよ」
と言う芸術家。
「縫ってくれる人がいるからこそ、
 パターンを引いてくれる人がいるからこそ、
 私たちの作品を応援してくれる人がいるからこそ、
 創作が続けられる」と言うデザイナー。
「苦手なことをがんばらなくても得意な人がやったらいい。
 それぞれの役割があるんだから」という起業家。

上も下もない。優も劣もない。
それぞれがそれぞれの好きなしごと(*)、
生きることに通じるしごとで輝いて、
お互いに尊敬しあいながら、
持ちつ持たれつの感謝の気持ちを忘れずに
生きていける世の中になったらいいなぁ。
畑の生き物たちを見てそんな願いを持ちました。

*しごととは、お金を稼ぐことに限らず、
人のために、自分が生きていくためにする活動
すべてのことを指しています。

電力を市民の手に

映画「パワー・トゥ・ザ・ピープル」を観てきました。
http://unitedpeople.jp/p2p/

電力を100%市民が自給しているデンマークのサムソ島と、電力の自給に向けて動き出している

オランダのテセル島の例を紹介しながら、巨大な電力会社から電気を買うのではなく、市民電力会社の創設や発電設備への共同出資などにより、発電と送電を市民が手にすることによって電力の民主化が進むと、人々の意識と社会がどう変わっていくのかを捉えたドキュメンタリー映画でした。

デンマークのサムソ島では、島が経済的にピンチを迎え、抜本的な改革を求められたのをきっかけに、再生可能エネルギーへの移行が市民の手によって一気に進んだそうです。

今では、市民が電力を発電して使うので、電気代はかからず、電力が余ったらデンマーク本島に売るので島の経済が潤い、二酸化炭素排出量も大幅に削減されています。ピンチをチャンスに変えたのは、島の人々の絆と想いでした。

一方、オランダは電力の民主化に関して、日本よりも少しだけ先を行っているという状況で、抱えている問題にも共通のものがあり、今日本はどう変わっていくべきなのか、今自分にできることは何か、より具体的に思い描くことができました。

政府や経済界が動くのを待っていては手遅れになる、市民が自ら動き出すべきなのだ、というメッセージが心に響きました。

映画に登場する人々はみんな私と同じ普通の人々です。市民電力会社を中心になって立ち上げた人たちも、配管工であったり、農家であったり、と電気や経営について特別なバックグラウンドを持っているわけではありません。

地域を良くしたいという想いひとつで、自ら動き始め、地域の人たちと絆を強めて、仕組みを作り上げていました。

地域の人々も一度ソーラーパネルを設置すると、節電はゲーム感覚になり、楽しんでいる姿を見て、まだ設置していない人々も関心を持つという好循環も生まれています。

電力の民主化が可能だということが目に見えてわかると、システムが大きくなりすぎて中身がわからなくなっているほかのことでも、市民が主導権を握って変えていけるのではないか、という意識が人々の中に芽生え、自営業者の共済を市民が立ち上げる例なども出てきました。

パワー(=電力)を市民が手にすると、社会をよい方向に変えていくパワー(=力)を市民が持つようになり、団結力や助け合い、経済力など、地域のパワーにもなる。とても勇気づけられる映画でした。

映画に登場するオランダの環境活動家マーヤン・ミネスマさんは、エネルギー価格は上昇を続け、家賃よりも高くなると語っていました。

同じく映画に出演するジェレミー・リフキンさんもエネルギー価格の高騰は、産業においても生産コストの上昇につながり、再生可能エネルギーによって電力自給を進めることは産業においてもコストの大幅な削減につながると話していました。

また、今5歳の子どもが90歳になるころには、地球上の生き物の約7割が消滅すると言います。

人も無数の生き物の営みの中にあります。その生き物たちが7割もいなくなったら、人の暮らしはどうなっているのだろうか、考えただけでぞっとしました。

信頼と協力に基づいた、持続可能なコミュニティ。

日本でも近い将来、それが当たり前になっているのかもしれません。そうなることが、人間が住み続けられる環境を守ること、そして持続可能な経済の循環のカギになると思いました。

お金も度胸もまだない私には、できることは限られていますが、どんな小さなことでもいいからできることを楽しく続けて、持続可能なコミュニティを作る力に少しでもなれたらと思いました。

20130702

1本の電話

週2回お手伝いに行っている会社に入った1本の電話。
90歳の女性からだった。聡明で凛として素敵な人だった。

内容は、日本国憲法に関する本の提案だった。
それを提案する理由を実体験に基いて話してくださり、
憲法をもっと多くの人にじっくり考えてみてほしい
という思いからではないかと推察した。

女性は戦争で経験したことを、
今でも昨日のことのように覚えていると話してくれた。

結婚していれば疎開が許されたが、自分は結婚していなかったから、
戦争の勤労要員とするために東京から逃げさせてもらえなかったこと。
(当時、14~25歳の未婚女性は挺身隊として軍需工場などで働かされていたそう)

東京大空襲のときに戦火から逃れようと
隅田川に飛び込んだ人々の防空頭巾が、
空襲の翌朝にプカプカと浮いていたという。
味噌汁のシジミがその様子に似ていて
あの映像が蘇ってつらくなると言って、
女性の夫がシジミを食べられなくなったこと。

女性の夫は目が悪かったから飛行機に乗らないで済んだけれど、
目が良かった友人たちはみんな飛行隊になって、たくさん亡くなったこと。

戦争の体験を直接聞くのは初めてだった。
女性は憲法を変えてはいけないとも、
戦争をもう繰り返してはいけないとも、
自分の意見は一言も言わず、
つらかったであろう体験を
つらさも出さずに淡々と冷静に語ってくれた。

戦後、政府関連機関で外国の新聞をチェックして、
報告をする仕事に就き、その後も政府関連の通訳をしていたそうで、
当時受けたカルチャーショックの話も聞かせてくださった。

戦勝国のイギリスで、戦後初めての選挙の結果が、
これからは社会福祉の時代という結果になったことに
さすがは民主主義の国だと思ったこと。

欧米では女性に参政権があることにも驚いていた当時、
24歳になった年に初めて、女性の選挙権が認められて、
心からうれしかったこと。

他国の英語母語話者でない人々が、
英語が下手でも関係なく、
自分の意見を一生懸命伝えようとする姿に
下手でもなんでもいいから、
伝えること、聞くこと、その繰り返しが
お互いの理解につながるということを知ったときの感銘。

女性の話は、どれも心に響いてきて、
会社の人たちにもメールで少し伝えさせてもらった。
反響があってとてもうれしかった。そして、教えてもらったのがこの記事。
Book asahi .com「日本国憲法、コンビニに並ぶ 異色のベストセラー
編集者の島本脩二さんの想いにまた胸が熱くなった。

女性からの1本の電話。
ただの偶然ではないような気がした。