20151212

ベーシックインカムってどうなの?

【旧暦霜月二日 大雪 熊蟄穴(くまあなにこもる)】

ベーシックインカムという言葉を聞くようになったのは、おととしくらい。貧困のことに関心を持つようになってからでした。

ベーシックインカムとは…
"ベーシック・インカムとは、就労や資産の有無にかかわらず、すべての個人に対して生活に最低限必要な所得を無条件に給付するという社会政策。1960年代に、イギリスの経済学者ミルトン・フリードマンが著書『資本主義と自由』のなかで提唱した。" (Huffington Post「フィンランド、全国民に毎月11万円支給? 導入を検討する「ベーシックインカム」とは」より) 
最近になって、フィンランドが導入を検討していて(*1)、オランダのユトレヒトという都市では2016年1月から試験的に導入する(*2)というニュースを見て、再び、むむーどうなんだろうー?と考えるようになりました。

*1 TIME 2015/12/7 "Finland May Give All Citizens Basic Income of 800 Euros"
*2 The guardian "The giving city: Utrecht plans 'basic income' experiment"

フィンランドでは、
  • 1人あたり800ユーロ(約10.7万円)の支給を検討
  • 低賃金の職につきやすくすることで、失業率の改善が狙い
  • そのほかの社会保障制度と置き換える
    →複雑化した社会保障制度の簡素化を目指す
  • 最初の実施案は2016年以降に出される見込み
とのこと。(さらに詳しいことは、プレスリリースをご参照ください)

無条件に最低限度の生活ができるだけのお金がもらえる、というこのアイデアを聞いたときにまず思ったのは、

・ハウスレスの人たちが家に住めるようになる
・まともな暮らしができる人が増える
・生活保護への偏見がなくなる
・好きな仕事がしやすくなる
・シングルマザーの貧困がなくなる
・貧困が解消され、治安が良くなる
・奪い合いからわかちあいの社会になる
・ワークシェアリングがしやすくなる
・自分の本当にやりたいことをじっくり考えられるようになる

など、いい面が頭に浮かびました。

社会派ブロガーのちきりんさんは、金の切れ目が縁の切れ目というのが容易かつ明確になるだろうと予想されていて、よくもわるくも、欲望のままに行動できるようになることで、もっとおどろおどろしいものが見えるようになるだろう、と。うーん、そう言われると怖いけど、もっと自分に正直に生きやすくなると捉えると、いいことのように思えます。

これだけ機械化が進んで、効率が昔の何倍にもなっているのだから、人間が働く時間が少なくなって、収入が増えてもおかしくないと思うのだけど、そうはなっていない。それは、資本家が増えた生産力による富のほとんどを持って行ってしまっているからだとすれば、ベーシックインカムが富の再配分の役割をうまく果たしてくれたら、よりいい世の中になるんじゃないかと想像したりもします。

いくらくらいがいいのか、とか、これまでの導入事例の検証など、もっと勉強してみたいと思いました。

【ベーシックインカムに関する本】
ベーシック・インカム入門 (光文社新書)

おかねの幸福論 〜 ベーシックインカム編 〜 (veggy Books)