しかし、海にも放射性物質は垂れ流されつづげているし、空気中に飛散し続けている放射性物質も雨になって降り注ぎ、川をつたって入り込むものもあります。魚は生き物なので、捕獲されたのが他県でも、泳いできた場所によっては放射性物質を取り込んでいる可能性もある。検査もきちんとは実施されていないので、相方は魚を食べたいけど、放射能汚染を心配しています。私は魚を食べなくても平気なので、放射能汚染の心配をしてまで魚は食べなくてもいいのですが…。
相方は、スーパーに行くと、魚コーナーに必ず寄り、いい魚ないかな~と物色します。私はそんなに食べられないのですが(少しで満足してしまう)、放射能汚染の心配のたぶん少なそうな日本海側や南のほうのお魚を一緒に探して、よさそうなのを見つけると相方に教えます。
tom-tom:これ、おいしそうだよ~
相方:うーん…
tom-tom:こっちは?
相方:うーん……
tom-tom:私別に食べなくてもいいんだけど…
相方:うーん、おいしそうなんやけどね、この魚、泳ぎまくるんかな?
放射能汚染が心配で、どこを泳いできた魚なのかが知りたいということです。
私は魚を食べなくても平気なので、魚を見に行く必要は全くないのですが、相方が食べたいと言うから一緒に探しているのに、毎回このやりとりになるのは、たまにイラっとすることもあります。「あんたが食べたいって言うから見に来てるのに毎回その質問。そんなん言うんやったら魚らてもう食べんかったらええやろ。魚博士になってから食べたらええわ」とブチ切れてしまうこともたまに…。
でも、わるいのは相方じゃないんですよね…。相方が放射能汚染を撒き散らしているわけではないのですから、相方に怒りを向けるのは矛先が間違っています。
相方の心配はおおげさではありません。海外では日本の海産物を輸入禁止にしていたり、輸入する場合は放射能検査を要請または自国で放射能検査を実施している国もあるほどです。秋田で放射能検査を個人で実施して情報公開をしてくださっている「べぐれでねが」さんの調査では、静岡県の沼津で水揚げされ、外食産業などの業者向けに普通に販売されていたアオザメから放射性物質が707ベクレル(ちなみに日本の現在の基準は100ベクレル)検出されたということです。
放射能汚染のない食べ物を安心して食べられるようになりたい、世界から原発をなくしたい。その願いを持っているのなら、むしろ、相方はその仲間。その相方にブチ切れるのは、怒りの矛先を間違えています。
こういうことが、一般にも広く見受けられます。同じ願いを共有して活動している仲間なのに、努力が足りないとなじったり、足を引っ張ったり、けなしたり、意見や考え方がちょっと違うだけで誹謗中傷を浴びせたり…。自分が望む現実をつくっていくためには、理想を共有する仲間に、短絡的な怒りをぶつけるのではなく、同じ方向を向いて協力できるように努めることが大切だと思います。
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