20160910

「イクメン」「ペアメン」という言葉に感じる違和感

以前、「ワーキングマザー」「働くママ」という言葉に違和感を感じるという話を書いたときに、「イクメン」という言葉についてもまた追々書きます、と書いたのに、すっかり忘れていました…。すみません。今日こそは書きます。

収入を得るような仕事をする母親、特に会社で働く母親は特殊だと言わんばかりに、「ワーキングマザー」というような特別な名称が使われるようになっているのと同様、「イクメン」=育児をする男性というのも特殊だと言わんばかりの言葉です。

最近、よく聞くようになりましたが、男性が育児をするってそんなに特殊なことなんでしょうか。もう21世紀、2016年ですよね?? 育児をする女性を指す言葉はありません。育児は当然女性がするものだと思われているからですか? 「イクメン」も「イクボス」も「ペアメン」も、軽々しくて不愉快を感じる言葉です。

私が男で父親で、「イクメン(育児をするMEN[=男性])」とか「ペアメン(parenting menの略で親の務めをする男性)」とか言われたとしたら、「親なんだから当たり前やろが!特別視してんじゃねえ!」とイラッとすると思います。「えらいでしょー!でへへっ」とかなる人いるのか?

ジェンダー問題についてよく書かれている香川のブロガーのyossenseさんも、このことについて何か書かれているかな?と思って検索してみたら、やっぱり、イラッとするそうです。
2014年12月5日 「イクメンですね!」と言われるとイラっとするという話
ヨスさんの記事を読んで、現代の会社の働き方では、男性が育児休暇を取りにくかったり、男性が育児に関わることが制度的に難しいという視点が、私の忘れがちな視点だったなと思いました。うちの父は会社員ではなく、自営業でいつも家にいましたが、育児は母がするもので、威張るのが父の役目だと思っている節のある人でした(立派な名言も聞かせてくれたし、生活に必要なお金をつくってくれたし、感謝をしている面も多いのですが、そういう男女差別の考えは嫌でした)。

なので、会社員のお父さんというのは、直に経験をしたことがないので、どんな感じなのか、想像が薄いのです。確かに、関わりたくても関われないという父親も多いだろうなぁと思いました。「イクメン」など、育児をする男性を特別視して持ち上げるような言葉を流行らせて、根本的な解決をせずに、個人の努力でどうにかさせようとしているのではないだろうかとも思いました。

スピリチュアルな観点でどうこうというのはよくわからないですが、親が二人いるというのにもきっとわけがあると思います。女だけがやるものでは本来ないはずです。父親が死んじゃったとか、失踪したとか、そういう特殊な緊急事態に備えて、女だけでも育てられるようにできていると思いますが、それはあくまでも特殊事態であって、二人でいるなら普通は二人で育てるものだと思います。

育児は母親だけがするのが当然で、父親がするのはめちゃくちゃ特殊なことなんていう状況だと、父親から子どもが得るものってお金とDNAくらいのものですよね? そんなの悲しすぎるではないですか。

二人の異なる人間が子育てに関わることで、子どもに何らかの良い影響があるのだと思います(一人親に育てられた子どもが不十分だと言っているわけではありません。人間はさまざまなものからインスピレーションを受けて育っていくものだと思うので)。それだけではなく、子どもを育てることで、親にも人として成長するのに重要な経験が与えられるのだと思います。よく、「子育て」は「共育ち」というような言い方もされますが。

ちなみに相方は、子どもにもニックネームで呼んでもらうと言っています。対等に人間として付き合いたいからだそうです。「お父さん」など関係性の名称にしてしまうと、上下関係が生じるからだということです。母が姪に、私のことを「おばちゃん」とは絶対に呼ばせないと言って、ニックネームで呼ぶように教えこんでくれたのですが、確かに、「お年玉ちょーだいっ」みたいな関係ではなく、対等な友だち感覚で、保育園や学校で起こったこと、考えていることなどを、いろいろと話して聞かせてくれます。相方いわく、「これからは個人の時代よ」と言っていました。こういう相方と話していると、「イクメン」なんて言葉が何世紀も前の言葉のように感じます。

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