20160426

『コンドルの血』という映画のこと

【旧暦弥生廿日 穀雨 次候 霜止出苗(しもやみてなえいずる)】

先日、『右翼と左翼はどう違う?』という本を読んだ話を書いたのですが、その中に『コンドルの血』(1969年:ウカマウ集団)という映画のことが出てきました。

『コンドルの血』作品紹介より
インタビューで登場する方が、南米を旅していたときに知って衝撃を受けたというドキュメンタリー映画で、その内容を知って、私も驚愕しました…。

この映画は、アンデスの寒村(現在のボリビア)に、平和部隊として入ってきた北アメリカ人の医療チームが、先住民の女性たちに、強制的に不妊手術をしていたことを告発した映画。この映画をきっかけに人々は、ボリビアから北アメリカの平和部隊を追い出した、とありました。



『コンドルの血』の作品紹介ページによると、先住民の女性の不妊手術だけでなく、伝染病による子どもの死亡もあったそうです。

ネット上にはあまり情報がなかったのですが、アテネ・フランセのデータベースページに以下のように説明がありました。
アンデスの一寒村に、平和部隊を名乗る北アメリカ人たちが婦人科施設を設置する。その一年半後、村の女性に子供が産まれないことを不審に思った村人は……。現実の出来事を題材にし、先住民女性に対する不妊化手術を告発した劇映画。ボリビアからの部隊追放の要因ともなった記念碑的作品である。
「平和」を称した人道に反する犯罪行為。アングロサクソン以外の人種は根絶やしにしたいという考えだったのでしょうか。「平和」や「支援」、聞こえのいい言葉にだまされないようにしないと、見極める目を磨くようにしないと、恐ろしいことを野放しにすることになるのだと思いました。知らず知らずのうちに加担することにもなります。

自分と違う人種は根絶やしにしてしまえ、という民族浄化は、これまでも世界各地で起こっていますが、「平和」を称して、「いいこと」を装って、こういうことをするというのは、本当に卑劣で許せないと感じました。