20160212

バーニー・サンダース候補が気になる。極左と報じられていますが、まともな筋金入りの市民派です。

アメリカの2016年の大統領選挙、予備選挙が各州で行なわれています。

アメリカの大統領は3期目を務めることが憲法で禁じられているため、オバマ大統領は今回の任期が最後になります。民主党候補者は、ヒラリー・クリントンさんとバーニー・サンダースさんが接戦となっているそうです。

日本人のくせに、なぜ、アメリカの大統領選挙を気にするのか―今の日本の政治は、アメリカの言いなりだからです。



沖縄の基地の問題も、原発の推進も、国民皆保険制度を壊滅させ、日本の農業をむちゃくちゃにするTPPも、アメリカの富裕層に操られている政治に、日本の与党政府が言いなりになっているから解決に向かいません。

基地と原発についてはこの本に詳しく書かれています。

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

日本の有権者が立ち上がって民主的に変えていければよいのですが、日本人は今のところのほほんとしている人がまだ多くて、いつ変わるんだろう・・・とやきもきしてしまいます。

今のところ、アメリカの言いなりの自民党が与党なので、アメリカの政治状況は、私たち日本人の生活にも大きく影響が出るので、大統領選挙のことは気になります。

たとえば、戦争大好きな政治家が大統領になったら、日本もアメリカの戦争に巻き込まれて、生活費を切り詰めて吸い上げられた税金が、爆弾になって落ちたり、軍需産業の懐を肥やすことに使われます。

アメリカの政治が大きく変われば、先に挙げたようなさまざまな問題について、状況が改善するかもしれないのです。

バーニー・サンダースさんが大統領になったら、これはおもしろいことになるかも、と注目しています。

日本にも大きな影響を与えるTPPについて、ヒラリー・クリントンさんは、TPPに一応反対していますが、国務長官時代にTPPを推進していたので、実際はどうだろうか?とあまり信用していません。

一方、バーニー・サンダースさんは、TPPにはおもいっきり反対です。
(私訳:私はいつも、NAFTAやTPPのような貿易協定には強く反対してきた。こうした貿易協定は、アメリカの企業のためにつくられたものであり、何百万もの雇用を犠牲にしている。)
(私訳:アメリカの労働者のために策定された貿易政策が必要だ。今まで以上に裕福になっている多国籍企業のためではなく。)

一般的な報道では、女性蔑視や人種差別の問題発言で有名なドナルド・トランプ氏の「右翼さ」と同じくらい「左翼」の社会主義者という表現がされていました。

第一印象では、バーニー・サンダースさんはまともで真面目そうな人に見えて、報道されているほどの過激派には見えません。これは、何か産業界が困るような人物で、ある種のメディアコントロールがされているのかも、と思って調べてみました。

調べてみたら、ものすごく筋金入りな市民派の議員さん。
参照記事を書かれた保立氏も、サンダース氏の報道のされかたには、私と同じ印象を持たれているようでした。
バーニー・サンダースは極端な政治家ではない。トランプはたしかに極端で変わった人間だが、サンダースは常識人だ。日本のメディアは例によってまっとうな報道をしない。(同上
先ほどあげたようなツイートを始め、ご本人の発言を読んでいると、至極まっとうで、どこが極左なの?という感じです。

レッチリ(注:ロックバンドのレッド・ホット・チリ・ペッパーズ)のフリーさんもサンダース支持を公言していました。
「大企業のロビイストたちの息がかかっていない人間がこの国の大統領になる、そう考えただけで希望がわいて来るように思えた」(RollingStoneJapan「レッチリ フリーが民主党バーニー・サンダースを支持する理由」より)
上記の記事でフリーさんは、サンダース氏を支持する理由について、
  • いかなる企業からの資金援助も受けていない
  • 政治資金管理団体と関わりを持っていない
  • 小規模ながら数多くの寄付を行っている
  • 誰もが教育や医療ケアを受けられる環境作りを主張している
を挙げています。

この記事によると、レッチリが出演するサンダース氏の支援イベントで会場の使用にかかる費用をレッチリが喜んで負担すると言ったら、

レッチリが負担する
↓イコール
レコード会社から金銭的支援を受けることになる
↓イコール
企業から金銭的支援を受けることになる

ポリシーに反すると言って拒否した

ということです。

このエピソードからも、本気で筋を通す人やなーとますます惚れ込みました。

若者が"熱狂"しているのは、惑わされているのではなく、本物を嗅ぎ分けるセンスに長けているからだと思います。

フリーさんは、サンダース氏が大統領になったら、以下の3つを要求すると言っています。

1) 誰かの命を守る目的以外での戦争に加担しないこと
2) 経済的に困難な状況にある人でも
     正式な医療ケアを受けられる環境を作り上げること
3)  誰もが高度な教育を受けられる社会を実現すること

自分の望みを伝えられる代表者を選べるってすごいと思いました。(本当は民主主義ってそういうものなのだけど)

そして、有名人でも普通にこういう政治の話ができるってものすごくかっこいいと思いました。

スポンサーの目が気になったり、ファンが離れるんじゃないか、めんどくさいことが起こるんじゃないかって、自粛しているアーティストが日本はまだまだ多い。

それとも、そもそも何も社会のこと考えてないのか? 芸だけ磨いても薄い。本当に一流の芸術家は、たとえば、宮﨑駿さんや高畑勲さんみたいに、世界のこと、社会のことに、常に目を向けて考えているものだと思います。

今、現状の政治状況を見るとやるせなくなってきますが、今は過渡期で、自分たちの行動しだいで、いくらでもいい方向に変えていける。

アメリカでもこんなふうに、バーニー・サンダースさんが注目を集めたり、今は変化の時代で、そう思ったらおもしろい時代だと思います。

最後に、サンダースさんの一言を。
(私訳:変化は容易には起こらない。歴史を読んできた者は誰もがわかっていることだ。)

*バーニー・サンダース氏のウェブサイトは以下。
https://berniesanders.com/issues/

*2015/2/15 追記
三宅洋平さんもサンダースさんのことを書かれていました。
この「当たり前」のことを言っているおじさんが、米国の大統領になったらそれは一つの革命と言えます。(三宅洋平さんのオフィシャルブログ「三宅日記」:バーニー・サンダース上院議員 ギリシャからプエルトリコまで金融ルールは1%のための八百長(2016/2/6)
各候補者の主要政策についてもまとめてくださっています。
同上:米大統領選候補者たちの主要政策まとめ(2016/2/15)

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20160427 『世界』12月号掲載の「バーニー・サンダースの台頭」を読んで。市民の力はやっぱり大きい。