20160318

行動のポジティブな連鎖

【旧暦如月十日 啓蟄 末候 菜虫化蝶(なむしちょうとかす)】

旅の途中で出会った友人が、沖縄の話をするお話し会みたいなものを開いてくれました。沖縄の食文化や暮らし、伝統、音楽、大好きな沖縄のことをたくさん語ってくれて、沖縄への愛が伝わってきてわくわくする時間でした。

そのわくわくな空気感に、参加していたみんなが和気あいあいムードになり、ざっくばらんに語り合いはじめました。

「竹富島が大好きで」と友人が語り始めると、台湾から来ていた方と、世界中を旅する写真家さんが、星野リゾートが竹富島に入ってきたために、利権をもらった人たちと、そうでない人たちとの間で分断が生まれ、島民がバラバラに引き裂かれてしまったという話を教えてくれました。


巧妙に分断を生んで、利権者の要求を結論ありきで押し通すやり方は、世界中の問題に共通して見られる手法だと思いました。その結果、失うものはどの場合にも多すぎる。美しい自然や動物たち、人々の絆、人間らしい自然と共にある暮らし。一部の人間の利益のみが増え、あとの人間にもたらされるものは隷属的な関係と、対立と、わずかな収入、その程度ではないでしょうか。

環境関係の仕事をしている人が、エコな取り組みが素晴らしいからと評価していた星野リゾート。いい話しか聞いたことがなかったので、こういう事実を知ってとてもショックでした。でも、知れてよかったし、多くの人に知ってもらいたい問題だなぁと思いました。

私はこの事実を知ったおかげで、竹富島に行くときには、昔から営まれている小さな民宿を選ぶ、という決断ができます。ほかのところに旅行に行くときでも、星野リゾートのホテルは選ばないでしょう。また同じような問題が起こっているところには一緒に声を上げたり、署名をしたり、パブコメを書いたりなど、できることがあればしようと思います。

友人が大好きな沖縄の話をしてくれて、参加した人が問題意識をシェアしてくれたり、調べてまとめてくれている人の記事が読まれて、多くの人が知ったりする。知った人は何らかの気づきを得るし、もしかしたら、なにか行動につなげてくれるかもしれません。

行動のポジティブな連鎖。その連鎖で起こる化学反応。それによって終わりにできる悲しみもある。それによって、生み出せるよりハッピーな世界もある。

どんなに小さなことでも、何を生み出したいのかを常に意識しながら、できることを死ぬまで続けていくことが重要だなぁと思いました。共感を広げて、輪が大きくなればなるほど、変化のスピードは早くできるのではないでしょうか。

【関連書籍】
分断社会を終わらせる:「だれもが受益者」という財政戦略 (筑摩選書)
ちょうどこの問題について相方と語り合った後に、
宇都宮けんじさんがツイッターでおすすめしていて目に飛び込んできた書籍
これも不思議なめぐり合わせ