20190507

砂糖をやめたい方へ―私が砂糖断ちに成功するまでのプロセス

「お砂糖をやめたい!」という声をよく見聞きするようになりました。ダイエットではなく、心の健康や体質改善のためです。

私もかつては砂糖を止めたくてもなかなか止められず、小さな不調はたびたびありましたが、大きな不調があるわけでもないので、砂糖がたくさん入った甘いお菓子の誘惑に勝てませんでした。

でも、昨年2018年の9月下旬から何度目かの砂糖断ちを試み、半年以上継続できました。自己最長記録です。半年が経過した今、甘いお菓子を見ても、なんとも思わなくなり、食べたいと思うことが全くなくなって、とても楽になりました。あまりにも快適で、今までは砂糖の奴隷になっていたのかもと思うほどです。

お砂糖をすっかりやめてから約2カ月で、頭痛や冷え、月経痛、歯の出血といった不調に悩まされることもなくなり、イライラすることも激減し、くまやくすみも治って、肌の調子も良くなりました。医学的に完全には証明されていないかもしれませんし、個人差もあると思いますが、私個人の体感としては、砂糖を食べなくなって体調に望ましい変化が出てきていることは確かです。


「いいね」40号(クレヨンハウス刊)
この特集も役立つ情報が満載でした。
表紙は眞鍋かおりさん。
眞鍋さんも砂糖断ちに成功されたそうです。

お砂糖をやめたいけどなかなかやめられない、というかつての私のような方がいたら、役に立てるかもしれないと思ったので、私がお砂糖をすっかり卒業するまでの道のりを書いてみたいと思います。

白砂糖を毎日たくさん食べ続けている状態から急に砂糖を止めるのは、かなり難しいのではないかと思います。白砂糖は中毒性が高いと言われています。身近な人に止めてもらうようにお願いしていたこともありますが、余計に食べたくなってしまい、一人のときを狙って甘いお菓子を食べようとしてしまうようになり、私の場合は逆効果でした。

私の場合は段階的にやめていきました。まず、白砂糖から無農薬のサトウキビ由来の粗糖や含蜜糖、黒砂糖に切り替えました。コクがあるので少量で満足するようになり、次第に使う量が減ってきました。その後、メイプルシロップやアガベシロップ、ココナッツの花の蜜を煮詰めたココナツシュガーも試しました。やがて、もう少し甘味の少ない甘酒や米飴になりました。今は、オーガニックのはちみつや甘酒、米飴、レーズン、キャロブパウダー(いなご豆の粉でチョコレートのような風味)、りんごジュースを煮詰めたものなどを少量とる程度に落ち着いています。

ちなみに、精製度の低い粗糖の代わりに、てんさい糖もいいかも、と思っていた時期もありましたが、『タネが危ない』(野口勲・著/日本経済新聞出版社・刊)でてんさい(甜菜・砂糖大根)は雄性不稔のF1種がほとんどと知り、除草剤の多用、カラメルなどによる着色の恐れについてもよく耳にし、パッケージなどにも特に表記がないため、不安が解消されないので、てんさい糖は選ばないようにしていました。

レーズンやキャロブパウダー、りんごジュースといった濃縮されていない甘味や、甘酒や米飴など発酵や酵素の働きで生まれた甘さは、食べても「また食べたい!」という衝動的な甘味の欲求にはならないことが多いように感じています。

このくらいでおいしいと思う量がだんだん減ってきたので、最小限しか入れていなくて、私はおいしく感じる甘さですが、お客さんや食べ慣れていない人に出すときはもっと多めに入れるようにしています。「甘さが足りなかったらかけてください」とアガベシロップをお出しすることもあります。多く入れれば、甘いお菓子に慣れている方でも、おいしく食べられるようです。

ただ、何でもそうだと思いますが、食べ過ぎはよくないと思います。以前、甘酒や米飴、レーズン、りんごジュースなどで甘味をつけたお菓子をつくるのにはまり、毎日のようにいろんなお菓子を作り続けていたことがありました。そのときは、いつもより身体が冷えている感じがしたり、身体が重くて動きが緩慢になった感じがしたりして、いくらお砂糖ではない甘さでも、「食べ続けるものではないな」という感じがしました。

ちなみに、私よりも早く砂糖を卒業した相方は、子どものころから砂糖が好きすぎて虫歯だらけになり、砂糖が入ったものを食べると歯茎が痛むようになってしまって、砂糖が食べられなくなりました。まさか、と半信半疑でしたが、見せてもらうと、ピザやうどんなど、お菓子よりは少ししか砂糖が入っていないであろう料理でも、砂糖が入ったものを食べた後は赤紫から紫色に腫れていて、とても痛そうで気の毒でした。

相方は、「口の中に砂糖がやってくると虫歯菌や歯周病菌といった腐敗に向かう菌が元気に活発しだすのだろう」との考察。そういえばがん細胞(あれは菌ではないけれど…)も果糖ぶどう糖液糖には大喜びして増えると聞きます。

そんなセンサーのような相方の歯茎は、果糖ぶどう糖液糖にはてきめんに反応が出て、次にひどく反応が出るのが砂糖類、メイプルシロップとココナツシュガーにも反応が出て、たくさん食べすぎるとレーズンやデーツなどの甘味の強いドライフルーツでも少し反応が出ます。

反応が出ないのは、はちみつ、りんごジュース、ぶどうジュースといった果汁100%のフルーツジュース、米飴、甘酒でした。いい歯医者さんと出会ったおかげで、歯茎の状態が良くなってきて、反応が出にくくなってきましたが、それでも、反応が出ない甘味以外は今後も控えることにしているそうです。

私が砂糖断ちに成功するまでをすこし整理してみると、

白砂糖

精製度の低い無農薬のサトウキビ由来の砂糖

メイプルシロップアガベシロップココナツシュガーなど、甘味の強い天然由来の代替甘味料

甘酒米飴はちみつレーズンなど

と、段階を経てきて、摂る量もだんだん減ってきたという感じです。

ちなみに、上記のリストには、食べたことのある無農薬またはオーガニックの代替甘味料のアマゾンリンクをつけています。レーズンはオーガニックでノンオイルのものがおすすめです。検索するといろいろ出てくるので、お買い物の参考になさってください。

白砂糖中毒を卒業するために天然由来の精製度の低い代替甘味料で甘味を補い、そのうち、甘味自体がそれほどいらなくなりました。

舌が強烈な甘さに慣れているうちは、素材が持つ繊細な甘さに気づきにくいものですが、だんだん、舌が本来の感覚を取り戻してきて、きなこだけでも甘く感じるようになるし、野菜などにも甘味を感じるようになるので、甘さを足さなくても、甘味を感じられるようになりました。たぶん、砂糖以外の甘味料もそれほどほしくなくなってくるのは、舌が甘さを敏感に感じられるようになるからというのも大きいように思います。

やめなきゃ!と急にやめようとすると無理がたたって、反動でいっぱい食べてしまったり、なかなかやめられない自分が嫌になってしまったり、かえって成功しにくいものかもしれません。少しずつ、砂糖以外の甘さにシフトしていって、舌と身体を本来の健康な状態に戻していけば、自然とやめられるものだと、これまでの経験から感じています。

なかなかやめられなくても、自分を責めないでほしいです。少なくとも、身体のことを大切に考えて、お砂糖をやめようと思えているだけでも、十分えらいと思います。そんな自分をまずは「えらい」と認めて、「気づくことだってできたんだから、きっと自分にはできる」と思っていたほうが、きっとうまくいくはずです。

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