20181127

砂糖をやめてみて2か月間の身体の変化について

砂糖断ちを開始して2か月余りが経った。精製された白砂糖だけではなく、黒糖や粗糖も含めて全ての糖類をなるべく食べなかった。

「なるべく」というのは、家で自分で作って食べる分には何を料理に入れるかは自分次第なので避けられるものの、他者と関わる場合は避けるのが難しい。外食で出てきた料理の味付けに入っていた場合は食べてみないとわからないし、人から気持ちでもらったお菓子などは断るのも気が引ける。私の場合は、すぐに重篤な症状が出るわけではないので食べた。月に5~6回くらいは砂糖または白砂糖を摂取したと思う。

砂糖をやめたほうがいいという話はときどき耳にしていた。もともと甘いものが大好きで、毎年この季節になるとPeople Treeのチョコレートをいつも机の中に常備してしまうほど。白砂糖は精製過程で化学物質を使うので身体によくないというのはそうかもしれないと思いつつ、粗糖や黒糖など精製度の低いものなら大丈夫なのでは、いや、そう思いたい・・・とよく調べずに済ませてきてしまった。しかし、砂糖が身体に及ぼす影響について知る機会があり、自分の身体で試してみようと思った。9月25日からスタートして、今日で約2か月になる。

砂糖をやめて2か月の身体の変化について書いてみたい。

・肌の透明感がアップした。


お肉をすっかりやめてから、毛穴の黒ずみがなくなり、鼻のまわりの毛穴が見えないくらいになったが、目元のくすみが少し気になっていた。

砂糖をやめて2週間くらいで、普段のケアは変わらないにもかかわらず(メドウズのローズウォーターの後、オーガニックアルガンオイルにメドウズのゼラニウムフランキンセンスの精油を数滴混ぜたものを塗る)、全体的に透明感が出て肌が明るく見えるようになった。砂糖をやめてみて、くすんでいたのは目元だけではなくて、顔全体だったことを初めて認識した。鏡を見るのがうれしくなるほどの透明感だった。

しかし、カフェに入って紅茶を頼んだら、おまけでお店の方の手づくりのクッキーを付けてくれた。その帰りに天然酵母のパン屋さんに寄ったら、ハロウィンのプレゼントということでメロンパン風のクッキーをいただいた。「少しくらいは」と食べてみたところ、翌朝、鏡を見るとまた肌が薄暗くなっていた…。でも、また砂糖を食べずにいたら1週間くらいで透明感が復活した。

・歯茎から血が出なくなった。


歯が重なり気味に生えているところが磨きにくく、歯磨きをするとよく決まったところから血が出ていた。それは歯並びのせいでそういうものだと思っていた。デンタルフロスを通してのこぎりのように動かして歯茎もこすってしまうと、決まってじわーっと血が出てくる箇所もあった。

砂糖を食べなくなって3週間ほどで出血が皆無になった。だし汁に粗糖が入っていたうどんを昼に食べてしまった日も、お昼に歯磨きができなかったが、夜の歯磨きのときにも出血はなかった。前述のクッキー連続の後はさすがに歯茎がぷよっとしてきた感じがしたが、血は出なかった。血が出るというのは実はよほどのことなのだと思った。

舌の一番奥の奥歯のまわりの歯茎と歯の間が少し開いているのも前から気になっていた。舌で触ると、1~2ミリくらい隙間が開いているような感じがしていた。砂糖をやめて1か月くらい経ったころから、舌で触っても隙間がわからなくなった。

・頭のなかが静かになった。


仕事に集中しなければならないときに、ネットサーフィンがしたくなってしまったり、やることがたくさんあるのにお気に入りのお店の近況が気になってブログやSNS投稿を見出してしまったり…といった雑念で集中力が削がれることが減った。

まだ皆無というわけにはいかず、やるべきことがあるのに、「あ!そういえばあれが欲しかったんだ!」と作業の途中で買い物をしはじめてしまうこともある…。それでも、そういうことが以前よりはだいぶ減った。

雑念はぽつぽつと出てくるが、以前よりは断然少なくなった。頭のなかがいつも静かになった。明け方の湖の静けさとか、誰もいないお寺の本堂みたいな感じがする。

・感情をコントロールしやすくなった。


言われたりされたりすると嫌だと感じることが私は多いほうで、人とかかわると、だいたい消耗してしまう。しかし、砂糖をやめて1か月くらいで、イラッとすることがかなり減った。

嫌だなと感じること自体は変わらず、やっぱり言われたりされたりすると「嫌だな」と思うのだけど、それからずっと不快感が残るということは少なくなった。

なんでこの人はそういうことを言ったりしたりするんだろうか、と冷静に観察して、改善してもらうためにできることがあるかどうかを見極めて、ないと判断すればなるべく離れておくようにするし、あると判断すればなるべく適切な方法とタイミングで試してみる。いらだちや怒りや不愉快な気持ちをなるべく早く切り替えて、そうした解決の方向に気持ちを集中させられるようになった気がする(とはいえ、もともとの耐久性が低いので、手に負えなそうな相手には近づかないようにしている)。

・甘いものを見ても食べたいと思わなくなった。
砂糖をやめて、2~3日目がかなり辛かった。家にいる分には、家には砂糖の入ったものがないので、忘れていられるのだが、街に出かけると、山地酪農の牛乳と平飼い卵のこだわりプリン、アップルパイ、栗のジャムののったバニラアイスクリーム、焼き立てのワッフルの香り、抹茶のスコーン…。次から次へと甘くておいしそうなものが現れる。そのたびに「うーおいしそうー食べたいー」という衝動が起こる。

一度目に入ったり、うっかり香りをかいだりしてしまった後は、甘い物のことがしょっちゅう頭に浮かび、「あのお店のケーキ食べたいなぁ」といった特定のものから、だんだん「なんでもいいから甘い物が食べたい…」みたいな危険な感じになってきた。これが禁断症状か、という感じだった。

砂糖をやめて1週間くらいで禁断症状は収まり、それ以降は目に入っても、香りをかいでも、なんとも思わなくなった。2週間目くらいに、スターバックスで季節限定の甘い飲み物の試飲を勧められたが、あっさり断ることができて、進歩を感じた。たぶん、これが1週間目だったら喜んで飲んでしまっただろうと思う。

その後は、さまざまな事情で砂糖の入ったものを食べてしまっても、最初ほどの禁断症状は出なかった。一度食べてしまうと、やっぱりまた2~3日は、甘いものを見ると「おいしそう…」となってしまい、「ちょっとくらいいいかな」と気が緩みそうになるが、衝動の強さが最初のころとは全然違って、簡単に抑えられた。

甘いものを食べても食べなくてもいい、という状態になってみると、砂糖を食べ続けていたころの自分が食欲の奴隷になっていたように思える。

・肩こりが治りやすくなった。


以前は、集中して何かを書いたり、絵を描いたり、縫い物をしたり、木を彫ったり、パソコンを背負って歩きまわったりすると、よく肩がこって、治るのに3日ほど、ひどいときで1週間かかることもあった。

砂糖をやめて、1か月半くらい経った日に、ワークショップで1時間半ほど絵を描く作業をした。たくさん人がいたので、スペースの関係でちょっと窮屈な姿勢をしての細かい作業になった。案の定、肩がこり、翌朝は肩こりから頭痛が始まった。「頭痛まであるとなると、これは治るのに3日はかかるな…」という感じだったが、夕方にはもう治ってびっくりした。砂糖は身体を冷やすと言われるが、砂糖をやめて血行が改善したため、肩こりの治りがよくなったのかもしれない。

・月経痛がなくなった


オーガニックコットンの布ナプキンにしてから、ひどかった月経痛はだいぶ軽くなっていたが、それでも、鈍い腰の痛みや下腹部の違和感が嫌な感じだった。頭もぼーっとして、普段よりもかなりスローペースになっていた。砂糖をやめてから2週間後に迎えた月経中は、いつもとあまり変わらず、頭がぼーっとして、腰も嫌な重苦しい感じだった。

ところが、それから1カ月後の砂糖をやめてから2回目の月経では(砂糖をやめてから約1カ月半後)、そうした不快な症状が皆無だった。次はまだどうかわからないが、経過を見てみたい。

***
これらの結果は、あくまでも私の個人的な体感なので、あくまでも参考程度にしていただければと思う。

砂糖の害については、いろいろと言われている。アメリカの栄養学者のNancy Appleton博士は、「砂糖が健康を蝕む146の方法」(原題:146 REASONS SUGAR RUINS YOUR HEALTH)[リンク先は英語]というリストを発表し、警告していた。これを見ると、なかなかすごい。私の体感と合っていると思うものもある。「砂糖が危険だなんて、大丈夫だ」「そんなの非科学的だ」という人たちもいる。自分の身体にとってはどちらが真実に近いか、自分の身体で試してみるのが手っ取り早いと思った。

万人にとってどうかはわからないが、自分の身体でどういう反応が出るのか、どちらのほうが健康になれるかを試してみて、いいと思うほうを継続すればいい。私にとっては砂糖はとらないほうが精神的にも身体的にもいい結果が出たので、これからも砂糖はなるべくとらないようにしようと思う。

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