先日、カレーの作り方の話をしていて、アルチェネロのトマト缶を使うと言ったら、友人が、「トマト缶は『食べたらいけない食品』に入ってるで!」と教えてくれました。
理由は「トマトの酸でアルミが溶けるから」ということでしたが、帰ってから、「ん?じゃあアルミじゃなくてスチールならいいってこと?」と思って、調べてみると、アルミが問題なのではなくて、コーティング剤として使われている樹脂(プラスチックみたいなもの)の、「ビスフェノールA」という成分が溶け出すので良くないということでした。
「ビスフェノールA」は環境ホルモンの一種で、フランスでは2015年から使用が全面禁止になっているそうです。
フランス・食品環境労働衛生安全庁(ANSES)のゴンバート博士は欧州全体の取り組みを紹介した後、フランスが2015年1月から、ビスフェノールA(BPA)の使用を全面禁止にしたと述べた。(FOOCOM.NET「環境ホルモンその後 ビスフェノールAはどうなった?」より)ビスフェノールAは、トマト缶だけでなく、食品の缶詰全般と飲料缶、フェノール樹脂の安定剤、プラスチック容器(哺乳瓶など(!))に使われるポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニルの安定剤(ラップなど)に使用されているとのこと。
食品容器には上限値の規制が定められているそうですが、缶詰のコーティング剤には規制がないそうです。
金属缶の内面塗装に使われるエポキシ樹脂については、ビスフェノールAの溶出量等についての食品衛生法の規制はありません。(日本生協連 食品のQ&A「ビスフェノールA問題についてのQ&A」より)まじか(・o・)w
で、日本の今の食品にはどのくらい含まれているかというと、
今年度、日本生協連で調べた結果は下記のとおりです。トマト系とツナ缶に多いですね・・。
フルーツ缶詰め類 検出せず
マッシュルーム缶類 0.007~0.009ppm
トマト類 0.023~0.029ppm
ミートソース0.013~0.025ppm
ツナ缶類0.036~0.051ppm
(日本生協連 食品のQ&A「ビスフェノールA問題についてのQ&A」より)
科学者さんたちは「人間はこんくらいなら危険は立証されんやろー」って議論しているらしいのですが、絶対「安全」と証明されているわけではありません。「人体に危険だとは証明されていない」ということと、「人体に安全だと証明されている」ということとは同義ではないのです。「疑わしきは使わない」にしてほしいところです・・。
紙パックはどうなんだろう?と調べてみたところ、テトラパックは「ポリエチレン」でコーティングされているそうですが、ビスフェノールAが含まれているかどうかはよくわかりませんでした。「無添加ポリエチレン」には含まれていないらしい(参考)です。
アルチェネロはイタリアから輸入されているものなので、日本よりは基準が厳しいのではないかとも思うのですが、今のところはっきりしないので、トマトソースにしたいときは、今後はなるべく瓶にしようと思います。蓋の裏は大丈夫なのか?という心配もありますが、缶や紙パックとは違って、ずっとひっついてるわけでもないので、瓶が一番ましかな、と…。
アルチェネロ 有機粗ごしトマトピューレー 500g |
ヒカリ 有機トマトピューレー 320g(瓶) |
調べるって大事だなーとつくづく…。賢い選択をするというのは、こういうめんどくさい作業の連続だと思いました。調べるきっかけをくれた友人にも感謝です。