20130715

映画『世界が食べられなくなる日』を観てきました

映画『世界が食べられなくなる日』   
現在、全国各地で自主上映が広がっているドキュメンタリー映画、
世界が食べられなくなる日
(仏原題:Tous Cobayes?[直訳すると「みんな、モルモット?」])
を観てきました。

暴走する二つのテクノロジー、
原子力と遺伝子組換え技術(GM)についてメスを入れた映画です。
どちらも十分な科学的研究がなされないまま、
ごく一部の富める人々の利益のために蔓延させられ、
私たちは実験台にされています。
それで、原題は「みんな、モルモット?」です。

(遺伝子組み換え作物を巡る日本の状況については
こちらに載っています→「実は、遺伝子組み換え食品の輸入大国の日本」)

種子の支配、農"毒"と放射能で破壊される生物多様性と自然環境、
このまま行ったら「世界が食べられなくなる日」がやってくるのは確実。
私たちは「NO!」と言わなければならない、と強く思いました。
映画に出てくる若いお母さんの
「NOと言わないことは、YESと言っているのと同じことなんだ」
というセリフが心に強く残っています。

環境だけでなく人間の身体も着実に蝕まれています。
映画に出てくるラットの研究では、
遺伝子組み換えトウモロコシと除草剤を
さまざまな濃度で組み合わせた餌をラットに2年間与え、
健康状態を観察しました。
細かい数値は覚えられなかったのですが、
遺伝子組み換えトウモロコシと除草剤の
両方またはいずれかを摂取したラットは、
メスで乳がんが増加、
オスは特に肝臓とすい臓にガンができていました。

実験を内密に進めたのは、GM反対派ではなく、
遺伝子組み換えで健康への影響があるのかないのかが
明らかにされていないから、科学的に調べたいと思った
良心ある科学者です。
内密に、というのは、公にやると、
大企業や政府から圧力がかかるからです。
開発している企業の研究は、「長期」と言いながら、
実際には3カ月で研究は終了していて、
健康への影響が出てくるのはそれよりも後になってからでした。

遺伝子組み換え作物は大量の除草剤がセットです。
農"毒"による健康被害は、農家の人だけでなく、
輸入品を扱う港の労働者にも出ていて、
ガンで亡くなった方も映画に複数出て来ました。

観に来ていた方は女性が大多数でしたが、
映画の冒頭で、「汚染物質は精巣にたまる」というセリフがあり、
男性も危機感を持ったほうがよいのに…と思いました。

上映2時間の間、ちっとも飽きることなく観られ、
命を守る闘いをそれぞれ自分のペースで続けている
世界中の人たちが次々と登場し、
世界はつながっていると感じさせてくれる映像がすばらしかったです。
ずしっと来る衝撃の事実ばかりですが
多くの人に観ていただいて、現実を知り、
どう行動していくのか、考えてほしいなぁと思いました。
私も人間そして動物としての本分を忘れずに、
できることを続けていきたいです。

予告編はこちら見られます。