20160623

「生活保護を受けていると大学に進学できない」? 真実はどっち?ということで調べてみました。

香川でも選挙、盛り上がってます!先日は、こんなイベントがありました。
珍妙雑記帖(2016/06/20):選挙フェス香川、本間信和氏(SEALDs)と磯崎仁彦氏(自民党立候補予定)を招いて政治家サンドバッグ!
私も聞きに行ってきました。本間さんの冷静さと知識の量と質の高さ、論理のブレのなさにはひたすら感銘を受けました。すごいの一言に尽きます。はるばるいらしてくださって、本当に感謝です。また、自民党の現職の議員さんがこんなイベントにいらっしゃるというのも、すごいことだなぁと思いました。

上記の記事とは少し違う部分を切り取ってみたいと思います。

司会の大学生の方が、「生活保護を受けていると大学に進学できないことになっている」という話を議題として取り上げようとされたのですが、根拠が薄弱だったようで、オーディエンスから「いやいや、できる、できる」という声が上がり、うやむやになって終わりました。

磯崎さんが、それは事実としてあるのかどうかを質したところ(というか、現職の議員さんなのに、知らないの?と逆にびっくりした。知らないもんなんだねぇ)、司会の方が「山本太郎が言ってた」と答え、磯崎さんが「山本太郎が言ってたなんてそんなのは」根拠にならないと一蹴なさる場面がありました。

そんな一幕がありまして、「生活保護を受けながらは大学に進学できない」っていうのは、真実はどっちなの!?とモヤモヤモヤモヤ。調べてみると、こういうことでした(あのとき、きちんと把握していて、磯崎さんに伝えられたらよかったのになぁ)。

生活保護をもらいながら大学進学できないというのは、法律として決められているわけではないのですが、制度上、極めて困難になっています。

生活保護を受給している家庭の高校生が、奨学金を受給していたり、バイトをしていたりしたら、それが収入とみなされて、生活保護が受給できなくなる、または、減額になるのだそうです。それだと、進学は不可能に限りなく近いと思います。
*参照:マガジン9(2015年10月21日):生活保護世帯の高校生に起きていること。の巻 - 雨宮処凛
司会の方が「山本太郎が言っていた」というので、山本太郎さんの発言を探していたら、なんと、「山本太郎が言っていた」ではなくて、厚生労働副大臣がこう言っていました。
○副大臣(竹内譲君) 今委員御指摘の生活保護を受けながら大学に就学することは認めておりませんで、大学の受験料や入学金につきまして奨学金の収入認定除外の対象となっていないという方針は変わっておりません。(山本太郎参議院議員ウェブサイト(2016.4.28)内閣委「子ども・子育て等一般質疑」生活保護・奨学金問題について より/太字とハイライトは筆者)
(なんなんだ、このシュールなオチは…。)

ちょっと整理すると、こういうことみたいです。

生活保護を受給している家庭で、高校生が奨学金を受給したり、バイトをしたりしていて、それがその家庭の「収入」と認定された場合、生活保護がその分減額されたり、また、バイト代を申告していなかった場合には、「不正受給」と見なされて、遡って「不正受給分」を何十万も返還するように要求されたりということが起こっています。

この「収入認定」は、除外される場合があって、2015年10月までは以下について、奨学金とバイト代を使う場合は、収入として認定しないことになっていました。

  • 修学旅行費
  • 部活動費の不足分
  • 私立授業料の不足分

収入認定を不服として裁判が起こったり、山本太郎議員田村智子議員(共産党)などがこの実態について議会で取り上げるようになり、などといった流れがあって、2015年10月には、これに加え、以下も収入認定除外対象として認められることになりました。

  • 学習塾の授業料と入会金
  • 模試代
  • 教材費
  • 交通費

これだけでも、つい最近まで認められていなかったんだ…とびっくりなんですが、先ほどの副大臣の発言をもう一度ご覧ください。はっきりと「大学の受験料入学金につきまして奨学金の収入認定除外の対象となっていないという方針は変わっておりません」っておっしゃってますよね。

奨学金を大学の受験料と入学金に使ったら、収入と認定されてしまって生活保護費を取り上げられるのでは、とてもじゃないけど大学に入れません(後半のほうで副大臣が補足しているのだけど、バイト代は入学金に使っても収入とは見なされないらしい。でも奨学金はNG。受験勉強めっちゃ大変やのにバイトもしろって残酷やわ~)。山本太郎さんは、現実をきちんと語ってくれています。
現実を知っていただきたいんです。奨学金の給付、利息の枠広げているんだから、そこを利用すればいいじゃないのというお話も恐らくされたと思うんです、後半戦で。奨学金、たとえ借りられたとしても、入学金払えないんですよ。文科省ホームページによると、平成26年度、入学金は国立で28万2千円、私立平均で26万1千89円、このほかにも初年度費用いろいろ掛かりますよね。例えば授業料、これ必要ですよ。国立は53万5千8百円、私立は平均86万4千384円。さらに、私立は施設設備費とかも要るんですよね、平均で18万6千171円掛かる。保護家庭にそんな大金ありますかって (山本太郎参議院議員ウェブサイト(2016.4.28)内閣委「子ども・子育て等一般質疑」生活保護・奨学金問題について より/太字は筆者)
この他、こちらも山本太郎さんのウェブサイトから、関連の国会答弁についての記事です。
2015.5.14内閣委「子どもの貧困:生活保護と奨学金などについて」

磯崎さんのお話(派遣労働についての話とか。これについては冒頭の珍妙雑記帖を参照ください)を聞いていても思いましたが、今の与党の人たちというのは、庶民感覚が欠けていて、困っている人たちの気持ちが全然わかっていないように感じます。たいていは裕福な家庭で育ち、エリートで優秀で来たんでしょうから、欠けていても仕方ないんですけど、お金がなくて困っている人の気持ちや置かれている状況を全然考えていないんじゃないかなって思います。

お金がなくて困っている人たちをそのまま放置することは、エリートで裕福な人たちも、そのうち、報いを受けてしまうことになると思います。絶望が憎悪に変わるときがいずれ訪れてしまうかもしれないし(というか、もう訪れているのかもしれない)、今の子どもの貧困を放置することでもたらされる経済損失や政府負担の増加についての試算なんかも出ています(日本財団によると、現在15歳の子ども1学年だけでも、社会が被る経済的損失は約2.9兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増加とのこと)。でも、それ以前に、貧しい人や困っている人を見捨ててる社会って、全然豊かじゃないと思う。そんな社会で、自分だけ裕福でエリートでいられても、その他のほとんどの人たちが苦しんでいる社会なんて見てても、悲しくて、苦しくて、絶対心が満たされないと思う。

こうやって一つ一つ考えてみると、政治がいかに、毎日の普通の暮らしに密接に関わっているかが実感できるなぁ、と、新しいことを知るたびに思います。山本太郎さん、ほんとにすごく頑張ってくださってるなぁと改めて思いました。こういう、市民のことをしっかり考えてくれている議員さんをどれだけ増やせるか、それが自分たちの暮らしを明るくしていくうえでも鍵になってくると思います。

Don't trash your vote―7/10の参議院選挙。しっかり考えて、しっかり悩んで、みんなで投票にいって、望む未来を一緒に創っていけたらと願っています。

*6/23 10時追記:
…という想いからアーティストも、こんなかっこいい曲をつくってくれてました。"VOTE 4 UR LOVE & FUTURE"by 佐藤タイジ feat.沖野修也&SEALDs、ぜひお聞きください。



なんと、こちらの曲、投票率アップのために使ってほしい、という想いから、著作権を放棄されてます。
本楽曲は著作権を放棄しています。
無料配信の実施と合わせて、放送やイベント/選挙での利用、映像との組み合わせなどを、著作者の許諾の必要なし、著作権料なしで、自由におこなっていただけます。
楽曲ページより)
Artist power、感動しました!


*友人・知人のみなさまへ:もっとポップで愉快なサステナブルライフは、相方のブログ『珍妙雑記帖』をご覧ください(ネタがかぶるので、私のは濃ゆい話が多くなるのですー)。