20160614

日焼け止めの「紫外線吸収剤」に環境ホルモン物質。母乳や血液、野生動物からも検出。ラベルを要チェック。

日焼けどめが盛んにプッシュされる時期になりました。

季節柄、日焼けどめに含まれる成分に、環境ホルモン物質が含まれていて、母乳や血液などからも検出されている、という記事がSNSなどでシェアされるのをよく見かけるようになりました。注意喚起をしてくれて、ありがたいことです。

私は、経皮毒(皮膚から毒物が吸収されること)が恐いので、よくわからないカタカナが書かれているものは全く使わないのですが、母乳や血液などからも検出されているという話は初耳だったので、「ええー、そうなの? ほんとなの?」ということで、調べてみますと、結構出てきます。

安全な食べ物ネットワーク「オルター」さんの記事「子ども用も危ない 日焼け止め剤 成長が遅れ、性が乱れる」によると、やはり母乳からも検出されていて、それだけでなく、野生動物からも検出されているとのこと。

なぜに野生動物まで? おそらく、人間が肌に塗る→洗い流す or 海や川で泳ぐ→水に成分が溶け込む→野生動物がその水を飲む or その水が吸収された食べ物を食べる、ということなのではないかな、と思いました。

こちらの記事は特によくまとまっているので、かいつまんでご紹介したいと思います。

特に危ないのが、紫外線吸収剤だそうです。

日焼け止めには二種類の方法があって、一つは紫外線を吸収して皮膚に届かなくする紫外線吸収剤が使われているタイプ、もう一つは、紫外線を反射して散乱させる紫外線散乱剤が使われているタイプ。このうち、最初に挙げた、紫外線吸収剤に環境ホルモン作用がある成分が使われているとのこと。

スイスのシュルンフさんという学者さんたちが、海外で使用頻度の高い7種類の紫外線吸収剤を調べたところ、そのうち6種類の物質に以下のような現象が見られたそうです。

  • ガン細胞の増殖
  • 子宮肥大
  • 男性ホルモンの阻害作用

中でも4‐メチルベンジリデンカンフル(4‐MBC)が危ないそう。
4‐メチルベンジリデンカンフル(4‐MBC)は、投与量が多いほど、生まれた子どもの体重や胸腺が減少したり、思春期が遅れたり、正常な精子の比率が減少する、という怖い調査結果が出ています。孫世代でも、生まれて14日までの生存率が下がることが観察されています。(オルターさんの同記事より
この4-メチルベンジリデンカンフルが入っていないかどうか、成分表をチェックですね。

それから他にも、My News Japanの記事「カネボウ『ALLIE』、花王『ビオレ』、資生堂『クレ・ド・ポーボーテ』…人気の日焼け止め化粧品に環境ホルモン成分、母親の血液や母乳からも検出(2015/04/30)」によると、EUのNGOがまとめている環境ホルモンリストに挙げられているものは、
  • オキシベンゾンー1
  • オキシベンゾンー2
  • オキシベンゾンー3
  • メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
だそうです。

この記事によれば、
カネボウ、花王、資生堂などの売れ筋商品に軒並み使用されている紫外線吸収成分「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」に、環境ホルモン作用があり、動物実験で子どもの前立腺と精巣サイズが小さくなり精子数減少も確認され、脳の発達への影響も指摘されていることがわかった。この成分は皮膚から浸透し体内へ吸収されることが分かっており、授乳中の母親を対象にしたスイスでの調査では、母乳の78%から検出された。
このうち、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルというものが、日本の日焼け止めにはよく使われているそうです。記事のタイトルにあるALLIEの成分を試しに一つ見てみましたが、入っていました。

ALLIE「エクストラUVプロテクター パーフェクトアルファS」の成分↓
メチルトリメチコン、酸化亜鉛、水、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、エタノール、トリエトキシカプリリルシランBG、ミリスチン酸クチルドデジル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ポリメチルシルセスキオキサン、ジメチコン、PEG-8トリフルオロオプロピルジメチコンコポリマー、トリフルオロプロピルジメチコノール、(トリフルオロプロピルジメチルシロキシ/トリメチルシロキシ)シルセスキオサン、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー、ナイロン-12、(ジメチコン/ビニルジメチコン)、クロスポリマー、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、BHT、ヒアルロン酸Na(ケンコーコム商品ページを参照)
My News Japanの記事を書かれた植田さんが調べたところでは、「売上トップ10中、不使用は1つだけ」だったそうです。記事が書かれたのが2015年なので、現状はどうなっているのか、買われる際に確認してみてくださいね。

それから、環境ホルモンについては、以下の冊子がとてもよくまとまっていますので、こちらも参考になさってください。(PDFファイルです)
環境ホルモン最新事情―赤ちゃんが危ない―(2015年3月30日発行)特定非営利活動(NPO)法人 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
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かつては、いちいち、「パラベン」はだめ、「フタル酸エステル」「フタル酸塩」は絶対ダメ、「ソルビン酸カリウム」はそこまで危なくないらしい、「エデト酸塩」もダメ、「フェノキシエタノール」はどうなんだろう?、「BG」と「PG」もやめとこう、みたいに、出会うたびに、一個ずつネットで検索したり、図書館で化学物質辞典を引いたりして暗記していたのですが、「もう覚えてらんないよ!」となり、もう、よくわからないカタカナやアルファベットのものは、一切シャットアウトすることにしました。

だから、そもそも、こんなALLIEの成分なんか論外です。わかるのは、酸化亜鉛と水とエタノール(原料が遺伝子組み換えの可能性もある)、ヒアルロン酸くらいしかないですからね。

今は大丈夫だと言われていても、しばらく後になってから、「やっぱり危なかったので使用禁止にします」っていうことが多すぎるし、いろいろな化学物質が混ざったときにどんな影響が起こるのか(カクテル効果といいます)調べられていない。東電原発事故のときの「ただちに健康に影響はありません」(=将来的には健康に影響があるかもしれません)と同じ。そもそも、台所にないようなもの、自然界にないようなものを、合成して作って身体につける必要性など、全く感じられないと思うようになりました。

昔は、酸化亜鉛や酸化チタンが紫外線散乱剤として入っている無添加の日焼け止めを使っていたのですが、塗ると鼻がかゆくなるようになって、それさえも使わなくなりました。今塗るとしたら、アフリカの人たちが紫外線から肌を守るのに使っているシアバターくらい。それでも、玄米菜食で、生命力のある食べ物を食べていたら、日に焼けてもシミになんかならないし、何もつけていない今のほうがずっと肌がきれいになりました。多少焼けてもわりとすぐ元に戻ります。

ちなみに、シアバターでの紫外線対策については、こんなまとめもできていました↓。
NAVER まとめ: 知らなかった!「シアバター」で紫外線対策もできる
何からできているのかよくわからない日焼け止めのほうが、太陽の光よりもずっと何万倍も恐ろしいと思う…。

肌が焼けないようにするより、日焼けしてもダメージを受けない身体になることのほうがずっと大事なのでは? 食べ物や肌につけるものを変えたら、日焼け止めを全く使わないにもかかわらず、小さいころからあるそばかすも増えなくなったし、元に戻るのも速くなったので、化学物質だらけのものを肌に塗りたくるほうが、ダメージを受けてからの回復が遅くなるのではと思うようになりました。

それでも、やっぱり、「絶対に日焼け止めは必要!」「絶対焼きたくない!」「美白命!」という方もいらっしゃるのはわかります。日本では、色白が美とされていますものね…。肌の白いイギリス人の友人は、浅黒いのに憧れていて、「どうして日本の化粧品はwhiteばかりなの! 私はtanになりたいのに!」と嘆いていました。イギリス人の友人の価値観と、日本の女性の価値観が入れ替わったら、きっと、夏は小麦色の肌がいい!ってなるんだろうなぁ。

…というわけで、近々、それほど危なくない日焼け止めを紹介しようかなーと思っています~。

>後日、関連記事書きました。
20160615
オーガニック成分配合の無添加の日焼け止め。使ったことがあるものを紹介します。