福島県二本松市に住んでいる親御さんから、
「県外保養は、子どもたちだけでなく、親たちにとっても心の保養になっています。
全国の人々が福島の子どもたちを守ろうとしてくれているんだ、
自分たちは見捨てられているわけではないんだ、と思えるから」
というお話をうかがい、何かしたいという思いが強くなっていました。
何かしたいと思っても、一部屋の借り家住まいでは、
個人的に家に受け入れることは難しいし、
ほかに何かできることないかなぁ、と思っていたちょうどそのときに、
キッズデイ・ウィークエンドのボランティア募集のお知らせが
Facebookで流れてきたのでした。
本格的なボランティア活動は初めてで、
ちょっと勇気がいりましたが、
やってみてわかることが本当にたくさんあって、
一歩踏み出す後押しをしてくれた、
あの二本松の親御さんにとても感謝しています。
郡山市から来てくれた小学生のみんな。
私のグループは、2年生から4年生の男の子たちでした。
公園にいるカラスを追いかけまわしたり、
噴水が大きく水を噴き上げるようにと、
「がんばれ、がんばれ、噴水さん!」と大声で応援したり。
大人には思いもつかない遊びを思いついて、
元気に駆けまわるみんな。
慢性的な被曝に加え、
福島では外での活動が制限されているため、
運動不足が深刻なこともあり、
事務局の方から、
「疲れやすいので気をつけてあげてください」
と聞いていましたが、元気すぎて付いて行くのがやっとでした。
こんなに元気いっぱいで、感受性も発想も豊かなこの時期に、
毎日は元気を出しきれずに限られた活動しかできないなんて、
もったいなくて気の毒で、
原発に対して何の責任もない子どもたちが、
どうしてこんな目に遭わないといけないのだろうと、
すごく心が痛かったです。
汚染のないところで少しでも過ごせること、
きっと喜んでくれているだろうな、と思っていたのですが、
ツアーが始まるなり、「あー帰りて―!」の連発。
それはそうだよなぁ。私だって家がほっとする。
たまの旅行なら楽しいけど、しょっちゅうだと疲れる。
せっかくのお休みの日を、一番落ち着く家で過ごせないなんて。
勉強も気になっているみたいで、リュックには宿題が入っていました。
喜んで来ているのではなく、大変な思いで来ているのだとわかって、
楽しんでもらえるといいなくらいの甘い気持ちから、
ほんの少しでも来てよかったと思ってもらえるようにがんばろう、
という気持ちに変わりました。
故郷が放射能で汚染されてしまい、
被曝による身体へのダメージを修復して
大事に至らないようにするために
定期的に故郷を離れなければならない福島の子どもたち。
何も知らずに、
「そんなにいいところにしょっちゅう行けるなんて、
原発さんにありがとうと言わないとね」
などという心ない言葉をかけてしまう大人もいるそうです。
マスコミがちゃんと報道してくれないという問題もありますが、
直の体験、生の声を聞く機会を欠いてしまうと、
理解不足から人を傷つけてしまうことがあるんだと思いました。
子どもたちから学ぶことは福島の現状にとどまらず、
人間としての根本的なことにも示唆をたくさんくれました。