20220516

[本紹介]『ぼく モグラ キツネ 馬』(チャーリー・マッケンジー・著/川村元気・訳/飛鳥新社・刊)

『ぼく モグラ キツネ 馬』(チャーリー・マッケンジー・著/川村元気・訳/飛鳥新社・刊)という本を読みました。

『ぼく モグラ キツネ 馬』
(チャーリー・マッケンジー・著/川村元気・訳/飛鳥新社・刊)

本屋さんでよく見かけて、絵と題字に独特の雰囲気があって素敵だなーと、前々から気になっていました。図書館でついに発見して、「これは読まねば!」と即借りてきました。

前書きから読み始めたのですが、前書きからいきなりほめてくれるので、くすっと笑ってしまいました。前書きもそうなのですが、全体を読んで、読む人への愛と、支えてくれた人たちへの感謝に溢れた本だなーという感じを受けました。

この前書きに「いつでもどこでも、どこから読んでもらってもかまわない。」とある通り、どこから読んでもいい作りになっていて、好きな飲み物を片手にリラックスしながらパラパラ眺めたいときにも良い本だなあと思いました。前から順に読むとストーリーとして読んでいけるようになっています。

どこを開いても、じんわり、いいこと言うなあーと思う言葉が書かれていて、じわじわと、いいなーというのが深まってきました。勇気づけられたり、心が軽くなったり、生きていくのに必要な言葉が散りばめられていて、何度も開くページもありました。いわゆる「心が温まる」というよりは、いわゆる「心が洗われる」という感覚のほうが近い感じがしました。読み進めるにつれて、澄み切った水がひんやりと心地よく、心に染み入ってくる感じがして、読み終わるころには、「ま、生きていたらいろいろあるけど、やっぱり、この人生は生きるに値する。ま、なんとか今日も一歩、進んでみよう」と、覚悟が決まって清々しい軽やかさとでも言うような(どんなだ‥)気持ちになっていました。

絵も本当に素敵なのですが、この日本語の字を描いた方がまたすごいと思いました。絵の雰囲気によくマッチしていて、最初、何も知らずに本屋さんでぱっと目にしたときには、もともと日本語なのかと思ったほどでした。英語の字も見てみたいです。

だれかにプレゼントしたいなあーと思うくらい、支えになってくれる言葉と、心を潤してくれる美しい絵が素敵な絵本でした。

[関連記事]
20210915[本紹介]『にげてさがして』(ヨシタケシンスケ・著/赤ちゃんとママ社・刊)