『りんごかもしれない』『こねてのばして』などの絵本や、『ヨチヨチ父』などのエッセイをはじめ、様々な作品で知られる絵本作家のヨシタケシンスケさんの本『ものは言いよう』を読みました。
『ものは言いよう』 (ヨシタケシンスケ・著/MOE編集部・編) |
『りんごかもしれない』『こねてのばして』などの絵本や、『ヨチヨチ父』などのエッセイをはじめ、様々な作品で知られる絵本作家のヨシタケシンスケさんの本『ものは言いよう』を読みました。
『ものは言いよう』 (ヨシタケシンスケ・著/MOE編集部・編) |
「ものづくり、されてるんですか?」
数年前、初めて入ったおしゃれなコーヒーショップで代金を払っていたとき、店主さんにかけられた言葉をときどき思い出す。
私のどこを見てそう聞きたくなったのかはわからない。小銭がないか財布のなかを探していると、不意に突然、さりげなく自然に、たずねられた。私はどう答えていいものか、迷ってしまった。
確かに、日々、ものは作っているが、自分で使ったり、プレゼントしたりするためのもので、これで生計を立てているわけではない。この店主さんはどう定義しているかわからないが、世間ではものづくりによって生計を立てていない限り、「ものづくり作家」を名乗ったら笑われるだろう。
『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』(内田樹・編/晶文社・刊)に、ミュージシャンの後藤正文さんが寄せた文章「君がノートに書きつけた一編の詩が芸術であること」を読んで、励まされた。