20210921

コーヒーのこと

健康に良くないと言われたり、良いと言われたり、飲んでいいのかよくないのかわからないものの1つがコーヒーです。マクロビオティックでは身体を冷やすと言われ、アーユルヴェーダでもヴァータ(風の要素)を乱すと言われます。

そうは言われていても、コーヒーはやっぱり好きすぎて、こればかりはやめられません。それならばと、少しでも身体にやさしいものを選ぶようにしています。

コーヒーのおいしさを初めて知ったのは、昔住んでいた町の図書館の向かいにひっそり佇んでいた自家焙煎所のおかげでした。図書館の行き帰りに通る道一帯に、なんとも言えない芳香が漂っています。

ある日、思い切って入ってみると、シンプルな白い陶磁器のデミタスカップとソーサーで、淹れたてのコーヒーを出してくれました。ここのお店では訪れた人全員に淹れたてのコーヒーを試飲させてくれているようでした。

インスタントではなく豆から淹れたコーヒーはそれまでも飲んだことがありましたが、これほどおいしいコーヒーは初めて飲みました。それ以来、コーヒーの魅力にどんどん引かれ、今では生豆から煎るようになりました。

コーヒーは生豆の状態であれば長期保存ができますが、煎ってからどんどん酸化が進むとよく聞きます。煎ってから2週間以内に使い切ったほうがいいと言うコーヒー専門店の方もいました。なので、オーガニックでフェアトレードの生豆を取り寄せて、1週間くらいで飲みきれるくらいの量を土鍋で煎って飲んでいます。自分で煎ればいつでも煎りたてが飲めて幸せです。

密閉して2週間寝かせたほうがおいしいという話も聞いたことがあって、キャニスターに入れて冷暗所で寝かせたこともありますが、やっぱり煎りたてのほうがおいしく感じ、胃にもやさしいような気がします。

雑味が入るので、ピッキング(正常な形の豆以外を取り除く作業)が大事とよく言われますが、これも私はほとんどしていません。よほど色がおかしいとか石のように干からびているとか見るからに不健康そうなもの以外は、変な形でも割れていても虫食いがあっても模様があってもそのままにしています。50℃洗いを試してみたり、丁寧にピッキングしてみたりしたこともありますが、それはたしかにつるりとした味わいでおいしいにはおいしかったです。雑味がむしろ複雑な深みを出してくれているような気がして、野性味のある味のほうが好みなので、いろいろ混ざっていたほうがいいかなと思いました。

『とにかくおいしい珈琲が飲みたい』(中川ワニ・著)は、自分がおいしいと思う好みのコーヒーが淹れられるようになることを目標にして作られている感じの本で、コーヒーの煎り方から淹れ方、コーヒー豆のいろいろなど、コーヒーについて詳しくコンパクトにまとまっていてとても参考になりました。焙煎しはじめてから分刻みの写真付きで豆の色合いが見られるページはとくに助かって、何分くらいでどのくらいの色になっているのを目指したらいいのかのよい指標になります。

生豆を買えるお店には、福岡のウインドファームさんか、自然食品のネットショップのgaiaさん、フェアトレードのsisam工房などがあります。ウインドファームさんではデカフェの生豆もあるので助かっています。(いずれも2021年9月現在の情報です)

生豆を煎る、という発想がなかった頃は、フェアトレードでオーガニックの焙煎済みの豆を見つけてはいろいろと試してきました。ウインドファームのカルロスさんのコーヒーが深煎りで特にお気に入りでした。

デカフェの豆もあります。パッケージもかわいくてプレゼントにするときもあります。

ウインドファーム 森林農法・有機栽培
グァテマラ産カフェインレスコーヒー

ドリップバックもあり、旅行に行くときに持っていったり、旅行先で買ったこともあります。

ウインドファーム有機栽培カフェインレスコーヒー
ドリップバック

急いでいてハンドドリップで入れる余裕がないときには、デカフェのインスタントタイプもありがたい存在です。豆乳を入れるとなぜか毎回分離するので、薄めに入れてブラックで飲んでいます。

ウインドファーム オーガニックカフェインレスコーヒー
インスタント
(写真は詰め替え用でガラス瓶入りもあります)

コーヒー豆は、カカオや紅茶と同様、生産者への搾取が大きい作物のトップに入ると聞きます。なるべく、フェアトレードであることが分かっている商品を選びたいと思っています。最近ではそうした事実がよく知られるようになってきたためか、フェアトレードのコーヒーが手に入りやすくなってきていてとてもうれしいです。