20151003

前進あるのみ

【旧暦葉月廿一日 秋分 水始涸(みずはじめてかるる)】

ようやく心の整理がついたので、書きたいと思います。集団的自衛権の行使を容認した安保法案が、民主主義を無視して押し通されました。

詳しくはIWJの特集が充実していました。
●安保法制 緊急特集 〜対米「属国」戦争法案の正体

多すぎて読めないよ~って方はこれだけでも読んでもらえたら。
●マガジン9:戦争法案可決。あの日、傍聴席から見えたすべて。の巻

アメリカと違って、党の意見と個人としての意見が違う場合に個人としての意見を優先する議員が、日本はほとんどいないので、数に物を言わせてこうなるだろうということは予想できていました(でも、ここまでひどいとは思っていなかった!)。選挙に行く人も少ないし(行かない人が悪いんじゃなくて、選挙に行く意味がわからない状況になっているのが問題で、選挙権の重みがわかっている人たちは、選挙の意味を伝えていくことが大事だと思う)、主権者の国民が、権利と責任を放棄して、おまかせにしすぎてきた結果。おまかせする人が智慧にあふれた人徳者であればいいんだろうけど、実際はそうじゃない。残念ではあるけど、転んでもぱぱっとすぐに起き上がって、前を向いて、できることをやっていくだけだよね、と気持ちを新たにしました。

いい動きはいろんなところで起こってきているし、

●やべ~勢いですげー盛り上がるデモクラシー
http://oshidori-makoken.com/?p=1700
(スピーチ、めっちゃめちゃ感動しました。)

●自由と民主主義 読み学ぶ シールズが「選書プロジェクト」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015092702000128.html
(ここには上がってないけど、「社会の真実の見つけ方」もおすすめです。あと、今読みたいのはコスタリカの本。コスタリカは軍力を持っていないんだって)

●ママたちはもう信用しません!「国民の命を危険にさらす法案を米国の利益のために無理やり通した」安倍総理――「安保関連法に反対するママの会」廃案と賛成議員の落選運動に向け決意表明
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/266905
(ママたちの言葉とアクションが熱いです。うーん、母は強し。かっこいいなぁ)

●反戦 願い集めて 絵本「戦争のつくりかた」短編アニメに
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015100302000250.html

●<第13回>共産党の頭の切り替えと素早い行動を他の野党も見習うべき
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/164441

●【声明】安保法制の廃止を!安倍政権と自公勢力に打ち勝つ大きな動きを!http://greens.gr.jp/seimei/15760/

●安保法 違憲訴訟準備続々 慶大・小林氏や松阪市長ら
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015092002000118.html

命よりも金のために日本を戦争ができる国にしたい人たちは、平和と調和を求める人たちよりもずっと昔から、しぶとく行動してきたし、注いできたお金とか労力とか、エネルギーも彼らのほうがだいぶ前からかなり強かった。それに打ち勝つだけの平和と調和を求めるエネルギーが、日本にはまだ足りなかったんだと思います。

だけど、上にあげたような動きを見ても、声を上げる人は着実に増えてきているし、社会のことに目を向けて、主権を行使することが大事だっていうことに気付いた人が、またこの衝撃的な出来事で増えたと思います。60年代のアメリカの市民くらいに、ようやく日本の民主主義も追いついたんじゃないかな、そんな風に思いました。デモがカッコいい、自分のことだけじゃなくて社会のことに関心を持って声を上げることがカッコいいっていうふうに、意識が変化したような感じがしています。

歴史を振り返ると、日本人は民主主義、国民主権を、自ら抗って勝ち取ったわけではありません。欧米の人たちは、革命などを通じて、王権を明け渡させた(暴力手段をいいとは思わないけど)。力づくで民主主義を勝ち取ってきた。それに対して、日本の国民は、大政奉還の後の政府や、戦勝国のアメリカから、つまり上から与えられた民主主義だったから、民主主義の意味を本当には理解してこなかったんじゃないかと思います。

でも、民主主義を理解していない首相と、その首相を操っている勢力によって、民主主義が危機にさらされている今、何かから与えられたものだとしても、民主主義をいいと思うのならば、主権者としての責務を果たし、権利を十分に享受して、世の中をよくしていくことに、自分たちの望む世界を作るために、できることをやっていくしかないと思います。というか、できることがあるっていうのは希望だと思います。そういう人が増えていけば、世の中は絶対によくなるし、民主主義は絵に描いた餅から現実になっていくと思います。あきらめずにできることを地道にやっていきます。前進あるのみ。