選挙結果にがっかり。でも落胆している暇があったら、できることをしっかりやっていかないとなぁ、と気を取り直しました。友人がフェイスブックの投稿で「明日世界が滅びるとしても、私はりんごの木を植える」というマルティン・ルターの言葉を教えてくれました。私も種まきを続けていきたいと思います。
ひとまず、選挙結果を自分なりに考えたいと思います。
この選挙はなんだったのか。私的には雨宮処凛さんのこの論考が近かったかなぁと思っています。
「命より金」の安倍政権への審判。の巻
アベノミクスとやらで、GDPが4~6月期に-7.3%、7~9月期は-1.9%となり、日本経済は景気後退に入っています。このタイミングで、仮に他の政党が政権を握ったとしたら、ガタガタになった経済の責任を、彼らにはないのに追求されてしまうことになるだろうと思ったので、自民党には引き続き政権を担っていただき、責任をとってもらわないとと思っていました。ただ、大幅に議席を獲得されると、ますます暴走されるので、自民党には議席を減らしてもらい、暴走にストップをかけられる共産党や社民党、民主党が議席を伸ばしてくれるといいな、と思っていました。
民主党は11議席、共産党は13議席増えています。共産党といえば中国や旧ソ連の粛清みたいな、歴史的な悪印象があるにもかかわらず、これだけ議席を伸ばしているということは、共産党というイメージに左右されず、実際にやっていることや政策や主張をよく考えて投票している人が多くなってきたのではないかと思います。極右政党の次世代の党が大幅に議席を減らしたことも平和を愛する人々にとってはグッドニュースだと思います。
平和を守る砦の憲法9条の改憲に賛成する勢力は314→292議席に減り、原発再稼働に賛成する勢力も345→327議席に減らすことができました。与党に圧倒的に有利な状況での選挙でこうした結果をもたらすことができたのは、政治と自分とのつながりについてよく考える人が増えてきた証拠だと私は思います。着実に前進していると言えるのではないでしょうか。
東京新聞「首相は「公約支持」というが 議席数 「改憲」減 「脱原発」増」(2014年12月16日) |
また、沖縄では自民党がすべての選挙区で落選しました。沖縄の人たちは本当にすごいと思います。
戦略的投票を訴え、脱原発ヒーロー&ヒロインのリストを作成してくれた緑茶会の振り返り(字が小さくて読みにくいのですが。。。)も、希望が持てる内容でした。きちんと考えて投票する人が増えればこの国に民主主義を取り戻すことができると思いました。
新聞の見出しで各紙のスタンスがわかるなぁと思いました。毎日新聞だけは「自民微減」でしたが、ほとんどの新聞が「自公325議席 圧勝」(自民ではなくて、公明党を合わせての話。よく読まないとだまされる)の嵐。ある地方紙は「安定選んだ県民」などと見出しを打っていて、「嘘、大げさ、紛らわしい」と呼ぶにふさわしい。半分も投票に行ってないのだから、「約半分の県民のうちで安定を選んだ人が一番多い集団を形成した」が正確な表現。そして、自民党は、消費税をあげようとしている、憲法を変えて戦争ができる国にしようとしている、原発を再稼働して生活に不安をもたらそうとしている、沖縄の辺野古を埋め立てて米軍基地を移設しようとしている、労働法を改悪しようとしている、TPPに参加して日本の産業と健康保険制度をめちゃくちゃにしようとしている、などなど、いろいろなものを変えようとしているので「安定」ではないと思います。日本語は正しく使ってほしいものです。
圧勝といいますが、数字をきちんと見てみたら、絶対得票数(得票数を有権者数 で割った数字)では自民党は全有権者の17%、公明党を合わせても24%しか支持を得ていないそうです。選挙制度にも問題がありますね。
池上彰さんの無双っぷりで人気のテレビ東京「池上彰の総選挙」から。ツイッターより |
そもそも、大手新聞は、「自民単独で300超」と公示後に何度も何度も大見出しを打って、有権者に投票を諦めさせようとしてたくせに、実際には自民単独では300は超えず、むしろ議席を減らしたのだから、「すいません、予想を間違えました」くらい言ったらどうなのだ? こんな下手な占いみたいなものは信じないのが一番です。
これも常套手段なので、もうだまされない人たちも増えてきているようには思いますが、まだまだだまされる人が多いということなのでしょう。投票率は戦後過去最低を更新。52.66%でした。どうしたらだまされている人たちに気づいてもらえるのだろう。
「自民圧勝」垂れ流し…大新聞が仕組んだ“戦後最低”投票率
私も大学生のときに先生に叱られるまで、選挙権があるということの重みがわからなかったし、自分の無関心によって、自分の税金が爆弾となって他の国の罪のない人々の上に降っていること、原発になって周辺住民の健康と幸せを奪っていること、生活を苦しくする政策づくりに加担していることを実感としてわかるようになったのは2011年3月の震災以降でした。目が覚めた今、少しでも抗っていきたいと思うようになりました。投票はその一つの手段。リンカーンは言いました。「投票は弾丸よりも強い」
世田谷区長の保坂さんの論考もわかりやすく、希望を感じました。
あきらめた時、民主主義は錆びついていく
日々の暮らしでできることもあります。たんたんと地道にサステナブルなライフスタイルを築いていきたいと思います。電力会社から電気を買わずに独立電力での自給自足も夢。200万円くらいあればできると聞きました。そんな暮らしがしたいなぁ。