20141226

しないことリストのすすめ

【旧暦霜月五日 月齢 4.1 冬至 乃東生(ないとうしょうず:夏枯草が芽を出す)】

辻信一さんの新書「「しないこと」リストのすすめ」を読みました。数カ月前に出たばかりの本なのですが、綾川町の図書館にもう入っていました。いいセンスしてるなぁ。

際限なく増えていくTO DOリスト。「~するために~するために~するために~する」という足し算の発想から、「しなくてもいんじゃない?」という引き算の発想に転換する助けとなるのが「しないことリスト」。絶対と言わないことがポイントだそうです。しないことリストを作ることで、「する」から「いる/なる」に、To HaveからTo Beに、空間から時間に、外の目から内の目に、重点が移っていって、バランスを取り戻し、心が楽になる、というようなことかと理解しました。

「時は金なり」、「時間管理術」、「就活・婚活・朝活・妊活・保活・終活…」(私はこれらの言葉は人生の大切なことを軽々しく扱っていて大嫌い)などの言葉に象徴されるように、少しでも時間があったら何かをする、自然とそうなるのを待たずに既成概念で理想とされる状態に「する」、「すること」が「いる/在る/なる」よりも過剰になっているのが今の時代で、その結果、空間やエネルギーがもっともっと必要になって、エネルギーや土地をめぐって戦争が絶えず、環境は破壊され、地球は限界に近づいています。

人間の暮らしでは、時間がいつもなく、やることばかりが増えてストレスがいっぱい。休日もre-creation(re-=再び、creation=創造→再び創造する)ために何もせず、ただ存在してありのままを味わう休息の時間ではなく、「休日は何をして過ごすの?」と聞かれる窮屈な時代。

「◯◯をやめなさい!」みたいな本とか、「断捨離」などのキーワードをよく見かけるようになったのも、きっとこの窮屈さから、引き算の発想の大切さに気付きはじめている人が増えているからなのかもしれません。何かをやめることで、生まれる空間や時間のゆとり。そこにさらに何かを詰め込むのではせっかくゆとりが生まれた意味がないので、何もしないでただ存在して、流れる時間を味わったり、成り行きを見守ったり、自発的にやりたいことが生まれてきたり。それが、「しないこと」がもたらす豊かさかもしれません。

クリスマスの日、スターバックスで配られたカード
de-light(電気を消す)→delight(喜び)
うまい。これも「しないこと」の発想ですね
また「しない」ことは、全く何もしないのではなく、例えば、冷蔵庫を「しない」とすると、保存食を作る、食べる分だけこまめに買い物に行く、畑で作物を育てて食べるたびに収穫するなどのように、何かをしないことによって、それに代わる何かをする必要が出てきます。オルターナティブな発想を促す効果もあるようです。オルターナティブな手段は、時間を味わうのに適していて、クリエイティブで、おいしくて楽しいことがほとんどのように思います。

「すること」を否定するのではなく、「する」が多くなりすぎたから、「しない」を意識して、「Do」と「Be」の、「空間」と「時間」のバランスを取り戻しませんか?という提案だと思いました。農業の在り方から、教育の在り方、社会の在り方などなど、「しないこと」から見えるいろいろなエピソードや考えが紹介されていて、とてもおもしろい本でした。ぜひ読んでみてください(^^)

リストは作っていなかったけど、いつの間にか私の暮らしではしないことが増えていました。まだときどきTo Doリストに追い掛け回されることもありますが、そのうちしないことリストも作ってみたいと思っています。