20140914

殺虫剤入りのお茶を飲んでいませんか?

【旧暦葉月廿一日 月齢 19.5 白露 鶺鴒鳴(せきれいなく

我が家では無農薬・無化学肥料・フェアトレードのお茶を飲んでいるので心配ないのですが、家族や友人、知人がそうではないので、グリーンピースの報告を読んで、とても心配になりました。事実を知って、それでも飲むならそれは本人の自由なのですが、知っていたなら飲まなかったということもあるので、以下に紹介します。

お茶に農薬? インドからの報告

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/50478/

この報告は、インド国内で販売されている、パッケージされた茶葉を対象に残留農薬を調査した結果をまとめたもの。インドで生産されているお茶の11%は世界に輸出されていて、輸出されたお茶の多くは、リプトン、トワイニング、テトリーなどのメジャーブランドとして流通しています。

調査結果の要旨を以下に引用します。

【調査結果の要旨】
・46サンプル中、合計34種類の農薬が検出された。サンプル全体の96%で検出された。
・検出された農薬の中には、最も危険な農薬であるモノクロトホスと、ミツバチの大量死の一因にもなっているネオニコチノイド系農薬イミダクロブリドが検出された。
・農薬が検出されたサンプルの半数以上は、10種類の“カクテル(混合物)”の農薬が含まれており、その内の1つのサンプルからは20種類の殺虫剤が混合していた。
・最低でも一つの農薬が検出されたサンプルは、EUが設定した残留基準値を超えていた。
・検出された農薬34種類の内、23種類の農薬はインドで茶葉栽培への使用が許可されていない。さらなる調査によると、インドで1989年以降、使用が禁止されている農薬であるにも関わらず、DDTが頻繁に使用されていた。
リプトンを販売しているユニリーバは、今回の報告を受けて、2020年までに原材料の農産物を栽培する際に使用する農薬を減らすなど、持続可能な農法への転換をするとしています。また、インドのお茶については、農薬に頼らない農法について科学研究を開始すると発表しています(参照:Unilever Commissions Research in India on the Feasibility of Non-Pesticide Methods of Plant Protection for Tea Crops)。

ちなみに、要約に出てきているネオニコチノイド系農薬は、虫だけでなく、人間への影響も懸念されていて、中枢神経系、自律神経系、骨格系に関連する多様な症状を引き起こす。脈の異常、指の震え、発熱、腹痛、頭痛、胸痛、短期の記憶障害も起きるという研究結果もあります(参照:中村隆市さんのブログ記事「農薬ネオニコチノイドに警鐘  「予防原則」で命守れ※新聞記事などの引用を交えての考察です)。

国産は安心というイメージがありますが、ネオニコチノイド系農薬の使用基準値は、日本は実はとても高くて、最も低いヨーロッパの数百~千倍(物によって異なる)です。しかも、ヨーロッパでは2015年までに使用を禁止する決定をEUが出しています。お茶の話題なので、お茶について言えば、日本のお茶は使用基準値が50ppmで、EUの0.1ppmに対して500倍もの差があります。美味しんぼの雁屋さんもブログで書かれていますが、私もミツバチの二の舞いにはなりたくないし、周りの人にもなってほしくありません。

*ネオニコについてもっと知りたい方はコチラ

無農薬・無化学肥料・フェアトレードは贅沢品という考え方をしている人が多いようなのですが、数十円~数百円くらいしか値段は変わりませんし、無農薬・無化学肥料・フェアトレードのお茶はおいしいのでミルクや砂糖がいりません。健康を害したらもっとお金がかかるので、トータルで考えたら、どっちが経済的にも健康的にもプラスになるでしょうか?

それに、農薬を使用せざるを得ない状況を作られている農家の人たちは、買って食べて取り込む消費者よりももろに農薬の影響を受けています。安いからと慣行栽培のものを買い続けていれば、状況を変えることはできません。農薬などの資材費がかかるのに、安くしか売れないので、農家の人は金銭的にも苦しくなり、儲かるのは農薬を売りまくる農協や企業だけです。危ない農薬を浴びずにおいしい農産物を作れる体制をみんなでつくっていくほうが賢明だと私は思います。