20130114

年明けのファーマーズマーケット(後半)

前半からの続きです。

みかんのおいちゃんのお向かいに、
いつも使っている石けんのお店を見つけ、
連れが特に気に入っている髪の生える石けんを買いに行く。
「あれー、いつも一緒の人は?」
「ジムのレッスンに行ってしまって。待たされてるんです。」
連れのことまで覚えてくれていてうれしかった。
楽しみにしていた新製品の香水も並んでいる(化学物質は一切入っていない)。
「こないだ記事で読んだ香水、楽しみにしてました」と言うと、
ひとつひとつ、香りを説明してくれた。
「いつも一緒の人が好きそうなのはこれかなぁ?
  ジンジャーがラストノートに入っているの。
 ジンジャーの入った石けんが好きって行ってたよね?」
連れにも話すとよく覚えてくれていると驚いていた。
「彼氏」とも「だんなさん」ともおっしゃらないところもニクいと思った。
忙しそうになってきたので、とりあえず石けんだけ買い足して退散。
みかんのおいちゃんが向かいから
「ありがとうやで~」と見送ってくれる。

以前、仕事仲間に差し入れを買ったお菓子やさんの女の子を見つけた。
彼女のお菓子には、ファーマーズマーケットで仕入れた食材が入っているものもある。
◯◯さんの生姜、とかわいい字で説明が書いてあり、
生産者さんへの敬意がすばらしいと思う。
「いつもおいしくって、ありがとうございます」と感謝を伝えると、
とびきりの笑顔を見せてくれた。
おいしいって言われるのがうれしい、
なんて純粋な気持ちでお菓子を作っているんだろう。
「おいしい」と直接言えるのも、マーケットのいいところ。

紫花豆。我が家では通称「でっかいごっつい豆」
時間を持て余して、ぶらぶらしていると、
見覚えのあるでっかいごっつい豆を発見。
標高の高いところでしか育たないと聞いた
花豆という珍しい豆だ。
花豆との再会に大喜び。
一人でお店を出していた若いお兄さんに
お金を払うと、
「せっかく買ってくれたから、
りんごチップス食べていってください」
とおっしゃるので、いただきながらおしゃべり。
「花豆見て喜んでるから
 不思議な人だなぁと思って。」
「前にエコプロ展で八ヶ岳の農家さんが
 出店していて、花豆をいただいたんです。
 正月に煮豆にしたらふっくらしておいしくて。
 家族には『でっかいごっつい豆』と呼ばれていました。」
「たぶん、生産者が直接店出してたときですね。」
これまた見覚えのあるトウモロコシ茶が目に入る。
「これ、うちにありますよー、清里に旅行に行ったときに見つけて。」
トウモロコシ茶を買ってきた清里のお店のこともご存知の様子で、
旅行先で出会ったあのお店の男性ともきっと知り合いだろうと思った。
不思議なつながり。
彼も清里から来ていて、トンネル事故があってから、車で来るのは一苦労だという。

しばらくして連れが戻ってきたので、
さっきの香水の香りを試してもらいたくて、
石けんのお店に連れて行く。
対応してくれたのは別の女の人だったが、
一度来ていたことを覚えてくれていた。
「さっき渡すの忘れちゃったねって話していて。また戻ってきてくださってよかったです」
バスソルトのプレゼントをいただいて恐縮する。
連れは、お店の人のお見立て通り、
ジンジャーの入った香水が一番のお気に入りだった。

マーケットに通い始めて半年くらいになる。
初めは食べ物を買いに行っていたのだが、
いつのまにか、人に会うのも楽しみになってきた。
かつて「市(いち)」は人々の交流の中心だったのだろうと思うことがある。
約束するわけでもなく、気が向いたときにふらりと出かけると
よく会う人たちに会うこともある、ゆったりとした出会いの場。
お店の人、お客さん、会うのが楽しみな人がたくさんできてきた。
この調子で行くと日本全国に友だちができるような気がしている。