今週末は2013年を迎えてから初めてマーケットにでかけた。
まずはいつものお兄さんのところで玄米プレートのランチ。
もっちもちの玄米に、ひじきとれんこんの和え物、
車麩と玉ねぎの香草フライ、蕪の甘酢漬け。
「ごちそうさまでした」。紙皿を返しに行きながら挨拶。
「いつもありがとうございます」。ちょっと照れた感じの笑顔が素敵だった。
紙皿を返しに行く途中で、年末に帰省みやげのシュトーレンを買ったドイツパンのお店を発見。
帰りに寄る。
「こんにちはー!実家にシュトーレンを持って行ったらとても喜ばれました」
「クリスマス限定だったので、今日はないんですよ」
と申し訳なさそうな感じのお兄さん、少しうれしそう。
「これが少し似た感じだと思うんだけど」
レシピに忠実なマイスターが珍しくオリジナルレシピを考案したという
オレンジピールとクリームチーズのたっぷり入った
ラム酒入りのケーキを味見させてくれた。
ここのパンは古代小麦にビール酵母と珍しいパンばかり。
年末に来たときに、どれも天然酵母を25時間かけて
発酵させて作っていると教えてもらった。
まだ昼過ぎなのにすでに在庫は半分ほど。バケットは1本しかない。
「いやぁ、リピーターが来てくださるのはありがたいんですが、
同じものを何個も買っていってしまうものですから…」
毎週出店することにしたとのことなので、
数種類を一斤ずついただいてきた。
その後、ウェブサイトで見て気になっていたお店に直行。
おいしかったら家族に産直を紹介したいと思っていた
愛知県の自然栽培・循環栽培の農家さんがこの日は初出店。
行ってみると野菜は量り売り。
固定種・在来種の野菜は大きさにバラツキが出るので、昔は量り売りがふつうだった。
量り売りということはきっと固定種かなと思い、聞いてみる。
「このお野菜は固定種または在来種ですか?」
ほとんどが固定種で「大根は交配種だけどうまいよ」とのお答え。
雄性不稔のことが気になっていることを伝えると
ご存知の様子でうんうんと頷いて心配をわかってくださった。
「じゃがいもと、さつまいもと…」
いろいろお願いしたら量りの針が振り切れて正確な重さがわからない。
「これで◯◯円でいいですよ」
本当にいいの?と思いつつ、ありがたくいただいた。
「どうもすみません。案内を一枚いただいていいですか?」
「あー!!」前のほうで明るい声がする。
両手を振っていたのはCさんだった。
「お会いできてよかったー!明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
お互いにまず年始のご挨拶。その後、年末年始のお休みの話、
年賀状の絵の話など、久しぶりのおしゃべりに花が咲く。
Cさんとは不思議な縁で、なぜかいつもマーケットに行くとばったり会う。
しかも同じようなあたりで。
何度かお会いするうちに顔なじみになり、
今ではすっかり仲良くしてもらっている。
初めてお会いしたとき、Cさんは柿をすすめてくれた。
最初はお店の人だと思っていたら、
「ちなみに私はお客さんです」とおっしゃるのでびっくりした。
二回目は野菜を味見させてくれて、そのときはお手伝いでいらしていた。
「今日はお客さん?それともお手伝いですか?」
「今日はお客さん。ゲンさんがちょっとトイレに行きたいって言うから手伝ってたの」
そうか、一人でお店を出していたらトイレに行くのも一苦労だもんなぁ。
Cさんがおともだちのお店を何店か案内してくれた。
「ぽんかん、どうぞ」とCさん。
和歌山県みなべ町のぽんかんを味見させてもらう。一切れが大きい。
「私のお友達」とCさんが紹介してくれる。
「みかん、好き?」おいちゃんが和歌山弁できく。
好きだと答えると、みかんも味見させてくれた。
「すかさず、『おじさんのことは?』ってきかなきゃ」とCさんが冗談を言う。
「そんなん、関東の人には通じやんもん。」
帰ってから連れにこの話をすると、「おいちゃん、ようわかってるわぁ」と笑っていた。
おいちゃんに「連れが和歌山出身で」と言うと、
「えー和歌山?和歌山のどのへん?」うれしそうに乗り出すおいちゃん。
「和歌山市です。」
「ほなら、『~でっしゃろ?』ってよう言わんかい?」
「あんまり聞いたことないけどなぁ。」
「そら、もう東京にだいぶ染まってもたんやわ。」
大笑いした。和歌山の人のひとなつこさが温かい。
もう一つの故郷がなつかしくなった。
小さいかわいいミカンを買うと「ありがとうやで~」とおいちゃん。
「また散財しちゃったね」と心配してくれるCさん。
また連れもいるときにおいちゃんに会いに行こう。
みなべ町にも行ってみたい。
〈つづく〉