『買物絵本』(五味太郎・作/ブロンズ新社・刊)を読みました。
『買物絵本』 (五味太郎・作/ブロンズ新社・刊) |
お金のことをテーマにした本で、表紙を開くと「これは(お金で何を買うことができるか)という考察の絵本です」と書かれています。子どものときに読んだら、お金に対する観点が広がっただろうなあと思いました。お金で何を買うか、だけではなくて、何かものやサービスを買うことを通じて、さらに言えばなにを買っているか、という話まで進めていて、なるほどなあと考えさせられます。この本を小さいときに読んでいたら、お金を主体的に使う姿勢がもっと早く身についていたかもしれないと思いました。
こんな感想だと難しい本のように聞こえてしまうかもしれませんが、全くそうではなくて、洒落っ気が効いていて、思わずくすっとさせられます。絵もユーモラスでとても楽しいです。
奥付のページにアンケートが載っていて、このアンケートにもまた笑わされました。奥付のページには最低限の情報だけが書かれている場合が多いですが、サービス精神というか、こんなところにまでおもしろい仕掛けを用意してくれるとは凝っているなあと思いました。
五味太郎さんのことを初めて知ったのは暮しの手帖社の本『暮しのヒント集・4』ででした。「こんなおもしろい大人がいるのか!」と驚いて、作品を読んでみたいなと思い、図書館で探してみると、つい最近まで知らなかったのが不思議なくらいたくさんありました。かなり夢中になって次々に読みましたが、読みきれないほどたくさん作品があり、しばらく楽しめそうだし、読み終わってもまた読みたくなりそうだと思いました。
カバーの記載によると、『買物絵本』はGOMI TARO WORKSHOPというシリーズの1冊で、他に『質問絵本』と『挨拶絵本』もあるようです。こちらも読んでみたいと思いました。