先日、ずっと読みたかった『食べられる庭図鑑』をようやく読みました。
『食べられる庭図鑑』 (良原リエ・著/アノニマ・スタジオ・刊) |
図書館でしばらく借りられていて、なかなか読めずにいたのですが、ようやく棚に戻ってきていました。手元に置いておきたいくらい楽しくて美しい本でした。庭と植物への愛がにじみでています。著者の良原リエさんのことは、別の本『たのしい手づくり子そだて』で初めて知りました。こちらもとても楽しい本です。
良原リエさんは音楽家で、コンサートで海外へ出かけられることもあるそうで、音楽のお仕事をされながら、こんなに庭仕事をやっているなんてすごいなあと思いました。タイムのページに、海外へ演奏にでかけたときに火山の噴火の影響で移動にすごく時間がかかってしまい、疲労困憊していたときに、コンサートのスタッフの方がその様子を見て心配して、タイムを香り付けに使ったスープを作ってくれたエピソードが書かれていて、感動しました。そのレシピも紹介されているのですが、きっと、このスープを作るたび、食べるたびに、そのときの思い出が一緒に蘇るのだろうなあと思いました。そういうレシピは素敵だと思います。
お子さんも専用の花壇を手入れしているそうで、立派なガーデナーなのだなあと思いました。食べ方や飲み方、薬用酒にする方法、遊び方など、庭の草木の楽しみ方も育て方と一緒に紹介されていて、何かを育ててみたくなってきます。
うちの畑にも植えている水前寺草(金時草、ハンダマとも呼ばれます)も掲載されていたのですが、とってもかわいい花の写真が載っていて、「ええーこんなにかわいい花が咲くんだ!」とびっくりしました。うちではまだ花は咲いたことがありません。冬の寒さが足りないのかも。いつか咲くかなと楽しみです。
紹介されている植物はほとんどが手のかからない植物ばかり。しかもどれも食べたり、お茶にしたり、お酒に浸けたり、化粧水にしたり、見る・触れる以外の楽しみもあります。純粋にエッセイとして読んでもおもしろくて、写真もきれいなので、庭仕事をする余裕のない人でも楽しめるのではないかと思いました。キッチンでの水栽培(これも載っています)だけでもやってみたくなりそうな予感もします。
読み終わった今、サフランが育ててみたくてうずうずしています。