20140302

pm2.5に思う

pm2.5が中国から飛んできているという。新聞にも大きく載っていた。まわりの反応から推察して、テレビでもやっているようだ。問題であることは確かだ。それは確かなのだが。

pm2.5は前からあった。日本でも出している。基準値を超える日は過去と比べて大きく増えたというわけではなく、むしろ今よりも多い年もあった。なぜもっと早く取り沙汰されなかったのか。
※参考:日本エアロゾル学会「PM2.5に関して頻繁に寄せられる質問」
    :環境省発表資料「今年前半の PM2.5 濃度と過去との比較結果について

中国ばかりが悪いような言い方をする人がいる。中国、早くなんとかしろよ、と。マスコミではそういう扱いなのかもしれない。しかし、中国から来ているから中国が悪い、中国なんとかしろよ、というのはあまりにも短絡的ではないか。

自分の身の回りの物がどこで作られたか見てみてもらいたい。中国製が多いのではないだろうか。少なくとも店屋では中国製の文字をよく見かける。書かれていなくても、部品などは中国からきているかもしれない。

私たちが買ったもの、私たちが使っているものを作る過程でpm2.5が出ている。私たちが使っているものを作っている人たちはもっと濃度が濃くて危険な場所にいる。

中国だけに責任転嫁するのではなく、一緒に解決策を考えて協力する、それが筋ではないかと私には思えてならない。

中国で生産をしている日本企業にも、本社対下請けのような安さだけを追求した関係ではなく、環境と人に配慮した生産体制を一緒に築いていくパートナー関係を作っていってもらいたい。私たちのライフスタイルにも解決の糸口はある。安いものを大量に買って使い捨てにするライフスタイルを見直す、長期的に見て環境にも社会にもいいことをしている企業を評価して、たとえば買い物をする、そういう企業で働く、そういう企業に投資するなど、小さくてもできることはある。おかしな作られ方の物が評価されなくなれば、企業も変わらざるを得ないのだから。

もう一つ疑問がある。なぜ放射能はpm2.5ほど騒がれないのか?マスクをして外を歩いていると「pm2.5対策?」と言われることはあっても「放射能対策?」と言われることはまずない。日本は放射能を今なお世界中に撒き散らしている。汚染水放出・漏洩による海の汚染だけでなく、東電の原発に蓋をしない限り、空気にもずっと出続けている。

pm2.5の報道のされ方は、日本人の注意を放射能からそらそうとしているように見える。それに、中国を悪者に仕立て上げて国民感情を煽動しようという、戦争に向けた準備にも映る。