20130810

まずは現実を理解する

今まで知らなさ過ぎただけなんだけど、今も知らないことはたくさんあるんだけど、国内外で起こっているたいへんなこと、こんなにたくさんあるんだ、こんなにも根深いんだ、こんなにも大変な思いをしいたのに世間で見過ごされていた人がこんなにもいるのか、と知れば知るほど心が重くなる。

山本太郎さんみたいに円形脱毛症ができるほどのつらさではないけれど、参議院選後に急に白髪が増えた。行動につなげるために現実を知ろうとし、知りたいと思ってやっていることなんだけど、自分で思っていたほど心は強くなかったのかもしれない。一時的なショックで、だんだんと強くなっていけるような気がしている。

最近読みはじめた岩波書店の「世界」(7月号)で、ヘイトクライムのルポを読んで子どもらがかわいそうで同じ人間がこんなひどいことをするものかと悲しくて泣き、改憲キーマンらの発言の引用を読んであまりの考えの足りなさに頭がクラクラした(例えば、東大法学部で芦部信喜先生に習ったけど立憲主義なんて聞いたことがないとか[←寝てたんか??一人の先生が言わなかったとしても憲法変えようとしてるんだったら立憲主義くらい勉強しといてくれよとツッコミたくなる]。ちなみに芦部先生は著書『憲法』で立憲主義について書かれている)。

知れば知るほど「じゃあどうしたら?」という疑問が湧いてくるし、解決策が見えない。仮想敵が頭に浮かんできて、お前みたいな地位も名誉も金もない奴が騒いだところで何になるんだ、そんなこと一般人が知ってどうすんの?、勘違いもいい加減にしろよな、みたいなふうに思われているんじゃないかとか、邪推をして苦しくなることもある。勝手に敵作るのも良くないし、そういうときは考えるのをちょっと休みにしよう、と最近は思っている。

それでも前を向こうと思えるのは、顔をあげてみれば仲間はたくさんいるし、周りを見渡せば良い兆しもあるし、日本よりも少し進んだ社会では学べる事例もある。「世界」は辛い現実ばかりが載っているわけではないので、読み続けられる気がしている。「スペイン―行動する市民が築く民主主義」にこうあった。

「現実をきちんと理解できなければ、”怒る”こともできない。怒らなければ”行動”も生まれないでしょ」

マドリードの22才の学生の言葉。一市民がプロにも負けない知識と意識を持って行動している。その姿にも勇気をもらった。