20171107

10月22日の衆議院選挙をふりかえって

行き詰ったゲームをリセットするかのように、「モリカケ疑惑」の追及で追い詰められた安倍首相は臨時国会を冒頭解散。それに伴う総選挙では、約600億円の税金が投じられた。首相が自分に都合のいいタイミングで勝手に解散して選挙するのはやめてほしい。

振り返りや総括はさまざまなところが出しているが、以下を紹介したい。

この選挙を「国難突破解散」と安倍首相は呼んだが、北朝鮮で緊張が高まっていることを「国難」だと言うのなら、なぜこのタイミングで衆議院を解散して政治空白をつくるのか。選挙が終わった途端、麻生太郎副首相は、リベラル派がこんなに減って自公が圧勝できたのは「北朝鮮のおかげ」とまた失言した

選挙前には警報を連発し、ミサイルのルートと無関係だった首都圏で電車を止め(北海道の上の宇宙空間を通ってカムチャッカ半島の南東、日付変更線付近に落ちたのに首都圏で電車を止めた)、北朝鮮にも挑発しまくっていた。こうした発言を聞くと、それは、国民の恐怖心をあおって与党の支持を高めようという魂胆だったのか、と思われて当然だと思う。自分たちの権力を高めるために戦争の危機を利用するなんて、国難をつくるのはやめてもらいたい。

ちなみに、警報については映画監督の想田和弘さんのツイートを紹介したい。
モリカケ疑惑のごまかしと安倍政権の延命のためだけの選挙をして、まんまとお望み通りの選挙結果になってしまうなんて、日本は一体どうなってしまっているんだろう、と悲嘆してしまう。これだけ異常な事態になっているのに、ほとんどの国民が危機感を持っていないのは、マスメディアのチェック機能が正常に機能していないせいだと思う。

しかしそれでも、政権交代まで囁かれた希望の党(安倍政権と方向性がほとんど変わらない)ではなく、憲法を守る立場の立憲民主党が野党の最大勢力になったことはせめてもの救いだったと思う。フリージャーナリストの横田一さんが希望の党の小池百合子代表から「排除」発言を引き出したことで、希望の党の本性に気がついた人も多かったのではないだろうか。

民進党の前原元代表による突然の民進党解党事件については、矢部宏治さんの分析が明快だった:誰が首相になっても、総選挙後に必ず起こる「2つの重大な出来事」―『知ってはいけない』著者の警告 (現代ビジネス2017/10/08)。類似の魂胆が見え隠れする野田内閣による自爆解散事件にも共通の構造が見られ、今回の突然の民進党解党事件もまたアメリカの言いなりになる日本政府にするために、リベラル潰しを図った事件だったのではないか、ということだ。

もしそれが本当だとすれば(私には本当に思えるが)、立憲民主党が野党第一党となったことは、対米従属強化のためのリベラル潰しの企てを少しでも軽くできたということだと思うので、せめてもの救いだったと思う(矢部宏治さんはこの民進党解党事件についてツイッターで"最も批判すべきは、「結果責任」ではなく、「手続き上の違法性」の問題だ。民進党はきちんと調査チームを作って、今回の「前原クーデター」を検証し、事実を有権者に報告する義務がある。3度目の「リベラル大虐殺計画」を防止するためにも。"と述べている。民進党にはきちんと検証して、けじめをつけてほしい)。また、立憲民主党には日本会議に参加している議員が一人もいないことにも希望を感じる。

ずっと政策がぶれず、被災者や派遣労働者など弱者の声に寄り添い、圧倒的な調査力で安倍政権と対峙してきた共産党が議席を減らしたことは非常に残念だった。野党側の候補者の一本化のために多数の小選挙区で候補者を下ろし、候補者を立てなかった選挙区では野党統一候補の応援にまわった(共産党の小池晃さんは、池上彰さんの選挙特番で見返りを求めているのではないかという質問に「見返りは民主主義だ」と答えていた)。

当選された議員さんでうれしく思うのは、北海道・池田まきさん、群馬の堀越けいにんさん、愛知・山尾しおりさん、大阪・辻本清美さん、尾辻かな子さん、東京・大河原雅子さん、神奈川・阿部ともこさん。多様性と大切にし、市民の声を代弁してくれる議員さんたちだと思う(ほかにも私の知らない市民派のいい議員さんがいると思うのでもっと勉強したい)。本当に自分たち市民の代表だと思える人たちが国会に増えてくれれば、自分たちの暮らし向きも良くなるし、社会のなかで理不尽な不平等や暴力や悲しい出来事が減っていくはずだ。