20171114

「モリカケ疑惑」について

「モリカケ疑惑」という言葉を先日の選挙結果のふりかえりの記事で書いたが、自分なりに整理してみたいと思ったので、少し書いてみる。

かなり大雑把に言うと、安倍首相が首相の立場を利用して、自分の友だちに、国有地をタダであげたり、大幅値引きしたり、補助金を何十億円もあげたりしているんじゃないの?という疑惑。

自分のポケットマネーなら別に構わない。しかし、国有地や公有地、補助金の財源である税金は、国民の財産であって、安倍首相が好き勝手にできるものではない。領収書音声データ文書のやりとりなど、疑惑を裏付ける証拠となりうるものも出てきているが、丁寧な説明はないし、適切な捜査もないし、告発者が出そうになるとメディアに叩かせて潰そうとする。韓国の朴槿恵元大統領は友人に便宜を図った疑惑で弾劾され、捜査を受けている。なぜ日本ではそうならないのだろう。

「モリカケ疑惑」のうちの「モリ」は「森友学園」の疑惑。こちらから考えてみる。

時事通信では以下のリンクのようにまとめられている→[時事通信 時事用語解説 森友学園問題]。また、IWJの特集ページがたいへん充実している。

森友学園が小学校「瑞穂の国記念小学校」を建設する土地として、国有地が8億円あまり値引きされて払い下げられていた。このことについて、安倍首相と妻の昭恵さんが関与していたのではないかという疑いが持たれている。この用地のある大阪府豊中市の市議会議員・木村真さんが不透明な国有地の取引に疑問を持ち、大阪地裁に提訴したことで明るみになった。

森友学園が運営する塚本幼稚園は、戦前のナショナリズムを叩き込むような教育や児童虐待とも呼んでも過言ではない指導でも注目を集めた。教育勅語をまだ意味もわからない子どもたちが暗唱したり、運動会で「安倍総理頑張れ!」と叫んだりしている映像を見たときにはぞっとした(気分が悪くなる映像なのでURLは貼らないが「塚本幼稚園」で検索すれば動画が出てくる)。

小学校の名前は当初「安倍晋三記念小学校」にしたいと提案されていたが、大阪府が難色を示したため、変更されたと見られる(参照:「安倍晋三小学校」に府側が難色 設置認可申請前、森友学園打診 共同通信2017/3/1 19:51)。

2017年2月17日の国会での答弁で、安倍首相は知らなかったと述べているが、昭恵さんが2015年9月に森友学園が運営する塚本幼稚園で講演した際に「(学園理事長の籠池氏から)安倍晋三記念小学校にしたいと当初は言っていただいていた」と述べ、「主人(=安倍首相)が、総理大臣というのはいつもいつもいいわけではなくて、時には、批判にさらされる時もある。もし名前をつけていただけるのであれば、総理大臣を辞めてからにしていただきたい」と発言しており、答弁と矛盾する(参照:森友学園、安倍昭恵氏の挨拶文を公式サイトから削除 何が書かれていたのか?Hufffington post 2017/2/23)。晋三さんのほうが嘘をついていると思うのが妥当だろう。

安倍首相は同じく2月17日の答弁で「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べている(参照:「私や妻関与なら辞任」国有地格安払い下げで 毎日新聞2017/2/17)。安倍昭恵さんが森友学園の籠池さんと仲良く写っている写真もあり、関与しているのは明らかだと思うのだが、まだお辞めになっていないのはなぜなのだろう。

森友学園の問題については「日本会議の研究」の著者である菅野完氏が、現場の声を地道に拾い上げる取材を続けられていたので、菅野氏のtwitter投稿で森友学園の問題を追っていたが、言論封殺か、菅野氏のtwitterアカウントが突如凍結された。

「カケ」のほうは「加計学園」の疑惑だ。私がこの問題について初めて知ったのは以下の記事だった。

【今治発・アベ疑獄】36億円の市有地を首相のお友達学園に無償譲渡(田中龍作ジャーナル 2017/3/3)

愛媛県今治市の公有地(評価額36億円あまり)を、安倍首相の友人が経営する加計学園が運営する獣医学部の建設用地としてタダで提供し、建設費の一部として96億円の補助金を愛媛県と今治市の税金から提供するという。

東京新聞の報道によると、"特区担当の内閣府が文部科学省に、獣医学部新設に関して「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと伝えたとする記録文書が、五月に明らかになった"という。この問題について、選挙中に国民に丁寧に説明すると言っていた安倍首相は逃げ続けている(※)うえに、選挙が終わった途端、何にも説明しないうちに、加計学園の獣医学部の建設は2018年4月の開校に向けて認可される見通しだという。

もう一つ、モリカケ疑惑のほかに、どうしても許せない事件がある。安倍首相の友人の元TBS記者である山口敬之が、ジャーナリストを目指して勉強していた詩織さんをレイプし、逮捕される直前で不起訴処分になるという不可解な事件があった。警視庁刑事部長の中村格氏が逮捕を止めさせたという。山口敬之は『総理』と題された安倍首相についての本を執筆している。

安倍首相の友達ならレイプをしても無罪放免だなんて、恐ろしすぎる。詩織さんは、司法がまっとうに動かないなかで、自分に起こったことを明らかにし、逮捕状がもみ消されたことについて問題提起をしようと、『Black Box』という本に一部始終をまとめている(「私は、被害者Aではない。伊藤詩織です」元TBS記者のレイプ疑惑を顔出しで公表した理由―Huffington post 2017/10/17)。

Black Box


買ってはあるが、つらくてなかなか読み進められない。『Black Box』を発刊後、詩織さんは日本で最もジャーナリズムが生き残っている日本外国特派員協会で記者会見を開いた(伊藤詩織さん会見、手記に込めた思い「遠い誰かの話ではない」)。一方、山口敬之は、ネトウヨ番組や右翼系雑誌に出て、詩織さんを卑わいな言葉で罵り、愚弄している。

山口の言い分と詩織さんの手記を比較して検証している以下の記事がたいへん簡潔なので紹介したい。

こんな安倍首相の疑惑をどうして日本は許しているんだろう。見て見ぬふりを続けていると、自分や自分の大切な人たちにまで被害が届かないとも限らない。メディアには徹底的に追求して、国民に真実を知らせてもらいたい。

逃げ続けているのは、選挙後に国会を開きたがらない姿勢にも表れている。野党は6月に臨時国会の開会を要求したが、安倍政権は応じず(これも憲法違反に相当)9月28日に開会した臨時国会で所信表明すら行なわずに冒頭解散をし、選挙となった。選挙結果を「謙虚に」受け止め、「丁寧に説明する」と言っていたにも関わらず、与党側は当初、特別国会(解散総選挙後に開かれる国会)の会期を11月1日から8日まで(しかも、3日は文化の日で休み、4、5日も土日で休み、トランプ米大統領が来日のため審議はなし、なので実質は1日、2日、8日のたった3日間)とし、年明けまで国会を開かない方針だった。野党の抗議を受けて、12月8日までの39日間となったものの、今度は野党の質問時間を減らすと言い出す始末(下記のフリップの通り、与野党の質問時間は、「与党4:野党6」だったものを民主党政権時代に野党だった自民党が「与党2:野党8」にするように強く要求して今は「与党2:野党8」になっている。自分が野党だったときは質問時間をもっとよこせと言ったのに、自分が与党になったら今度は「与党7:野党3」に野党の質問時間を大幅に減らせと主張するのは横暴ではないだろうか。その後、譲歩と見せかけて「与党5:野党5」と言い出したが、到底許されるものではない)。野党の質問に答えるのも総理大臣の任務。そんなに嫌なら総理大臣を辞めたらいいのに。会期が12月9日までに延びたと言っても、安倍首相は外遊に出かけて不在になるので17日にようやく所信表明、週末でまた休みで、実質的な審議は20~22日、また祝日と週末で休みになっり、審議の再開は早くても、閉会まであと2週間ほどの27日から。国会から逃げ回っているようにしか思えない。