20170504

子どもを生む理由

子どもを生む、それはなんのためか、というのをよく考えてから親になったほうがいいのではないだろうか。それが、子どものためでもあるし、自分のためにもなると思う。

私は、自分で自分を満足に生きられるようにして、この世で生きていくのがおもろくてしかたなくて、他の生命にもこの幸せを体験してもらいたい、と思えるようになるまでは、子どもは生まないことにしている(過去に詳しく書いた記事)。

少子高齢化だから、子どもを生まないと高齢者を支えられなくなるとか、経済が衰退するとか、適齢期で子どもを生まないとかなり責められるけど、それでも、子どもは苦労するために生まれてくるのではいけないと思うから、笑って受け流す。

子どもは高齢者のためにいるわけでも、国の経済のためにいるわけでもない。子どもは自由と幸せを謳歌し、思い思いの美しい創造をして、さらに幸せを広げるために生まれてくるほうがいいと思う。若者が子どもを生むことをためらうような国にしてきたのは、一体誰? 子どもを産まない選択をする若い世代を責める前に、自分を振り返ってみてほしい。

話す機会があるといつも「子どもを産め」とプレッシャーをかけてくる人(女性)がいて、あまりにも頻繁なので、自分の考えをなるべくていねいに話してみたら、「何にかぶれているのか?」といかがわしい宗教扱いをされる。うーん、どうしたらわかりあえるものか。

tom-tom: いや、かぶれているとかではなくて。自分がまず自分の思うように生きて幸せになって、それからでないと、子どものために自分を犠牲にした、とか子どもに言ってしまう親もいるし、自分もそうならないとは限らないし。原発が廃炉にならないと、いつまた事故があるかもわからないし、そんな危険なところに子どもを生むのはちょっと…。もし男の子が生まれたら、今こんな政治状況で、いつ徴兵制が始まるかもわからないし、男の子がいるというだけで戦争に行かせないといけないかもしれないとか、そういうふうになるのは嫌だから。今はそうならないようにできることをしようとは思っているけど、自分一人だけの力ではどうこうなるものでもないからね。今はタイミングじゃないと思う。

相手:はあ? そんなん言ってたらいつまでも産めないじゃん。オレなんか何も考えずに産んだし!

tom-tom: うん、そういう人もいると思うけど、自分はそうはしたくないのね。世の中を見ていてもそれで失敗してしまっている人もいるし。親になる器ができる前に生んじゃって、まわりに迷惑をかけているとか、子どもが虐待にあったとか。あと、〈相手〉さんとは時代も違うしね。まだバブル経済で景気が良くて消費税もなくて、法律的にも戦争ができなかった時代に大きくなった〈相手〉さんはもしかしたら考える必要はなかったのかもしれないけど、生まれてからずっと暗黒の20年とやらで、不景気だ、不景気だって言われて育って、10代の頃はリストラが吹き荒れて、身近でもリストラで人生狂って暗くなっちゃった大人を見てきたりとか、大学を出てもまともな仕事はなくて、ブラック企業とか社畜とか、当たり前のように言われてて、しかも憲法が改悪されるかもしれない、というような今を生きている私は、考えざるをえないんだよね、子ども生んで大丈夫かなって。

相手: ふーん、それで産めなくなったらどうすんの?

tom-tom: それはそれでしょうがないよ。自分も生きるのが大変で、生きるのが大変な人間をもう1人増やしても、その人がかわいそうだと思う。生きるのが大変なままなんだったら、生きるのが大変なのは自分で終わりにしたほうがいいんじゃないかな。でも、3.11とかがきっかけで目がしっかり開いて行動を起こす人も増えてきてるし、これからたぶん、世の中はよくなってくると思うから、それに、自分ももっと自由度を高めていくつもりだから、死ぬまでに子どもが生めそうになったら生めると思うよ。

相手:まーた、そんな楽天的なこと言って! 世の中なんか変わるわけない! 

tom-tom:じゃあ、生まなくていんじゃないの? うーん、世の中を変えるのはだれかじゃなくて自分らじゃないんかな。一人だけじゃ無理でも、無理だって言って何もしなかったら何も変わらないけど、何かしらできることをコツコツやっていったら少しは変わるのを早められるかもしれない。だから今は、私にとっては子どもを生むときではなくて、世の中をもっと生きやすい世の中にするために何かできることをコツコツやっていく時期だと思ってる。

相手:また、そんな呑気なこと! まるこう(高齢出産のことらしい)は危険が高まるの知らんのか!

tom-tom: まあ、私の場合は10代の頃よりも今のほうが身体が元気で、食事と生活を変えてだんだん元気になってきてるから、40でも50でも生もうと思えば生めると思うよ。75で娘の代わりに代理出産したおばあちゃんとかもいるし、焦らなくていんでない?

相手:そんなもん(たぶん75歳の出産の話を指していると思われる)は科学の力だ!…(続く)

…というような感じで、噛み合わない議論が続き…(実際にはtom-tomのセリフはこんなに長くは聞いてもらえないので、飛び飛びの曲がりくねりで会話が進んだのだが、読みやすさを優先して編集)。推測するしかないが、子どもを生むのが女の義務だとか、子どもを生まないと幸せになれないとか、そんなふうに思っているのか、どうしてもさっさと子どもを産ませたいらしい。子どもを見たいとか言われても、子どもは人間を喜ばせる道具ではない。

ちなみにこの人は、すでに子どもを育てた人(子どもはすでに成人している)だけど、話を聞く限り、この人が子どもを育てて幸せだったとは、私には到底思えない。夫と別れたかったけど子どもがいたから我慢したとか、成長した子どもにひどい仕打ちを受けているとか、「オレの人生、何だったんだ!」話をよく聞かされる。子育てをして幸せを感じられなかった人に、子どもを産まないと幸せになれない、みたいなことを言われても全く説得力がない。

私に子どもを生むようにプレッシャーをかけてくる別の女性にも、「子どもがかわいいのは2歳までよ」と何回か聞かされているのだけど、2歳までしかかわいくないなら、なんで子どもを生まないといけないんだろう。

そもそも、私にはかわいいから子どもを生むという氣はなくて、子どもを生んで、育てるという経験が自分にもきっと大きな成長につながるだろうし、自分から出てきた人がめちゃくちゃおもしろいことをするところが見られるかもしれないし、もしそれらがなかったとしても、子どもが健康で自由で幸せでいてくれたらそれで幸せだと思う。

それから、最近訳した記事で、なんじゃそりゃと思ったのがあった。日本家族計画協会が出した調査でセックスレスの夫婦の割合が過去最高レベルになったということで、少子化がさらにヤバイとでも言わんばかりの見出しと内容だった。

しかし、欲望の結果やアクシデントの結果で生まれてくるなんて、子どもにとっては悲劇ではないだろうか? 

セックスレスの定義を訳して2度びっくりしたのだが、月に1回以下の夫婦を言うらしい。それで少子化を心配するって、アクシデントで子どもが増えることを望んでいるということ? もし自分が、欲望に基づく行為のアクシデントで生まれる子どもだったら絶対に嫌だ。この記事を訳していて、セックスレスが増えることなんて心配することではなくて、むしろ、子どもを生むという意志なしに子どもをつくらない、まともな大人が増えてきているということなんじゃないかと思った。

子どもを生むのは何のためか。子どもに生まれてきてほしいのはなぜだろうか。こうした問いについて、よく考えて、よく準備をしてから親になる大人に自分はなりたいと思うし、それを妨害するどんな圧力にも折れないようにしたい。

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