20170209

自然に反しない限り、手は使えば使うほどきれいになる

暮らしぶりを問われ、夏には梅干しをつくって、冬には味噌をつくって、自家製天然酵母のパンをこねて、着るものもちくちく手縫いして…と、話していたら、「そんなこと言ってあんた、ずいぶん手がきれいじゃないの!」とツッコまれた。

手を動かせば動かすだけ手が汚くなるという感覚が、私には体感としてなかったので、一瞬、何を言われたのかよくわからなかった。記憶をたどって、多少の時差を経て、その意味を理解した。手が荒れていないから、口だけで立派なことを言ってはいても、実際にはやっていないに決まっている、という意味だった。

手を使って仕事をすると、ささくれだったり、肌がガサガサになったり、しわしわになったり、指先がゴツゴツになったりする、というイメージが、私も昔はあった。手のモデルをしている人は、手をなるべく使わないようにして、手袋をはめて手の美しさを守るというのもテレビで見たことがある。ハリウッド女優が有機菜園で土いじりをする様子を、「手が汚れるのもいとわずに」などと描写した雑誌の記事も読んだことがある。

私の手は荒れない。キメが細かくてきれいな肌をしている。というかむしろ、いろんなものをこねたり、かき混ぜたりしているうちに、きれいになってきた。毎日のようにさわるのは、天然酵母のパン生地、ぬか床、しゅわさかさん(野草などの天然の善玉菌がいっぱい入った飲み物で黒砂糖などの糖分と水と光で育てる。黒砂糖と水を足したときに手でかき混ぜている)。年に何回か触るのは手前味噌と梅干し。塩麹や塩レモンもときどきつくる。私の手は、発酵の菌たちのおかげできれいになってきたのだと思う。

手が荒れるのは、合成洗剤と塩素の水のせいではないだろうか。お皿を洗うのにも、手を洗うのにも、洗剤はそんなにしょっちゅう使わないし、使うとしても無農薬の原料でつくられた石けんや洗剤を使うから、全然手は荒れない。うちの水も水道水なので、塩素が入っているとは思うが、強すぎる合成洗剤を使わないから、手はきれいだ。

ちなみに今うちでよく使っている洗剤はこれ↓(いつも三宅商店で買っている)。濃度をいろいろに変えて、台所用洗剤にも洗濯洗剤にもシャンプーにも七変化する優れもの。

松の樹液からできた濃縮無添加洗剤「松の力」500ml

土いじりをしても、荒れたためしがない。小さい頃、慣行栽培の畑の土をいじって手が荒れたことはあったけど、うちの畑の土は化学肥料も農薬も使わないからか、触っても荒れることはない。たぶん、土にもいい菌がいっぱいいるのだと思う。爪の間に入った土がとれなくて、ちょっと汚らしく見えることはあるけれど。それに、土いじりをするときは、ほとんど手袋をしているからケガもあまりしない(種まきのときは外すので、付け直すのをさぼって鎌でざくっとやってしまうことはたまにある)。

手が荒れたりするのは、土や水や食べ物のせいではなくて、本当の原因は人間がつくった化学物質なんじゃないだろうか。近い将来、手を使う=手が汚くなる、というのは、昔はそうだったよね、と話される日が来るといいなぁと思う。