20160830

basically――「基本的に」にご用心

basically――「基本的に」と言われたら、みなさんはどんな印象を持たれますか? 私は、例外はあるけど、それはごく稀でほとんどない、という感じがします。

たとえば、パン屋さんで、「当店のパンは、基本的に県内産の小麦粉を使用しております」という表示があったら、どうでしょうか?

「どうしても足りなかった場合だけ、県内産以外になるかもしれないけど、それはめったにないだろう」
「気まぐれに県内産以外も使うのかもな」
「県内産小麦が使われているパンはほとんどない」

たぶん、3番目だと思われる方はあまりいないのではないかと思うのですが、ときどき、この3番目の意味で使う人がいるのでびっくりします。

例を挙げると、仕事のやりとりで「こちらが入れた修正は基本的に◯◯だけです」と言われて送られてきた原稿がありました。確認してもしなくてもいいということだったので、確認する修正箇所はそんなに多くないんだろうなぁ~と思い、締め切りの前日まで他の急ぐことをやっていました。

…が、いざ添付ファイルを開けてみると、「基本的に◯◯だけってゆうてたやないの~!」という感じで、例外だらけ。「基本的にって、何が基本的にやったん?」と思いながら、「〇〇」に当たらない大量の修正を確認。もうてんやわんやで、締め切りを少し過ぎてお返事しました。

別の場面でも、「□□は基本的にこちらでします」と言われた仕事で、「じゃあ、□□はよろしく頼んだ!」と信頼して仕事をしたところ、「□□が不十分でひどい出来だった」と言われたことがあります。

「□□は基本的にそちらでなさるということでしたが…」と聞いてみたら、「基本的にって言ったじゃないですか」と。これ、意味がわかりますか? 私はすぐには理解できませんでした。

その□□については、私は全くやっていなかったわけではなくて、最大限やってはいたんですね。根拠として参考資料などもつけていたのです。「基本的に」と言うからには、相手の仕事の範ちゅうに入ると思われる部分で、相手が私に期待していたことをやらなかったと攻撃しているようでした。私からすれば、「基本的に」に含まれる「基本」と、除外される「例外」が逆転している。

この2つの出来事から知ったのは、「基本的に」という言葉が、例外があることをほのめかしておいて、なにかマズイことがあった場合に、それは例外だったと言い逃れをできる余地を残しておくために使われることがあるということでした(これって政府がよく使う、「想定外」という詭弁と似ている)。

「基本的に」と言われた場合、「例外がある」ということは共通理解として大抵の人は納得できるところだと思います。しかし、その例外の量や規模の程度は人によって異なり、曖昧にできてしまいます。なので、基本的にと言われたら、例外がどの程度あるのかを予め明確にしておく必要があると学びました。

私が「基本的に」と人に言うときは、例外はやむを得ない場合を除いてほとんどないという意味で使いますが、人によって認識が異なるようなので、今度からは、もう少し具体的に例外はどのような場合が想定されるのか、どの程度あるのかも、併せて伝えるようにしようと思いました。

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