20160403

民進党の山尾しおりさんのインタビュー記事のこと。

【旧暦如月廿六日 春分 末候 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)】

最近気になっている民進党の山尾しおりさん。日刊ゲンダイのインタビュー記事がとても読み応えたっぷりだったので、ご紹介したいと思います。

“安倍首相の天敵”山尾議員…無知な総理の改憲論議に異議(日刊ゲンダイ:2016年3月22日)

「天敵」ってね・・・。ふつうに議論してるだけに見えるんだけど、なんでそんな獰猛な動物たちの戦いみたいに表現するんだろうねー、というツッコミはさておき、「国会審議では舌鋒鋭い追及や、ひるまない姿勢が際立つ。しかも理路整然。首相の憲法観の乏しさや無知を浮き彫りにしたのも、「保育園問題」で政府を動かすきっかけをつくったのもこの人だ。」と紹介されています。
(安倍総理は)自分の庇護の下にある女性には紳士だけれど、自分の範疇を超えてくると、ものすごく不安になるんだなということがよくわかりました。(p. 1)
(対等な女性に対しての)その不安がニヤニヤしたり、言い訳をひたすら続けたり、批判してかぶせてきたり、尋常じゃない対応になって表れるんだなと思いました。(p. 1)
いるいる、そういうオッサン…。なんなんやろね、あれ。幸い、仕事関係でおつきあいのある人のなかには対等に接してくれる紳士しかまわりにはいないんだけど、これまで生きてきて遭遇した男性のなかには、tom-tomが知性を見せるとキレてきたり、「お前は女なんだぞ」って言わんばかりな態度だったり(だから何?って感じですが)、目を合わせてくれなくて怖がられたり…。女性活躍なんて言っている首相がこんなんじゃ、女性の地位向上ってほんまはやる気ないんちゃう?って感じがしますが…。

p. 8に「女性活躍って結局掛け声だけだった」というインタビュワーの発言があり、なんと…
来年度予算の女性活躍の大柱のひとつが「トイレの整備」ですよ。(p. 8)
どっひゃーでした(゚д゚)!全くやる気が感じられないですね…。結局はゼネコンさんを儲けさせたいだけなんちゃうん? 

「精神的自由の経済的自由に対する優越的地位」という憲法の基本について山尾さんが質問すると、安倍総理はまともに答えられず、"最後は「クイズは意味がない」と逆ギレ"したらしい…。山尾さんの言うとおり、
憲法の技術的な議論をしようと思っているわけではありませんが、次の参院選で憲法改正を争点にすると言っている総理だから、だったら今の憲法の中核部分は知っていないと困る。(p. 2)
憲法改正を争点にすると言っているのに、憲法のこともロクに知らないことを明らかにしてくれて、本当にありがたいですね。その答弁のシーンは以下の動画に収められています(「精神的自由の経済的自由に対する優越的地位」については、20:15くらいからです)。


【2/15 予算委員会】 山尾志桜里 放送法4条「政治的公平」について安倍総理に質問【完全版】
*こちらの書き起こし(議事録)は、こちら↓
国会会議録検索システム「予算委員会 第12号 平成28年2月15日」
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/190/0018/main.html
(このページに飛んで、最初には最新の議事録が表示されているので、2/15のをクリック→真ん中らへんまでスクロール→「山尾」で検索→該当箇所にたどり着けます。ちょっと使いづらいシステムですが…。どうしてもたどり着けなかった方には、PDFもあります→☆PDF。ただ、画像なので、文字で検索ができません。p. 25の二段目の左くらいに「○山尾委員」とあるところからが始まりです)

国会の中継は、親切な人がYouTubeに乗せてくれていたりしますし、国会のインターネット審議中継のウェブサイトに録画がありますので、好きなときに見ることができます。質問者の名前をクリックすると、質問する議員さんのところまで頭出しもしてくれます。

衆議院
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

参議院
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

文字で読みたい方は、以下で該当する会議をクリックすると見られます。
国会会議録検索システム
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/index.htm

さてさて、日刊ゲンダイのインタビューに戻ります。「自民党改憲草案」について、
憲法を知らない政党で憲法を知らない人が書いたんだということが一目瞭然。例えば「個人の尊厳」ですが、自民党改憲草案では、個人を全部、人あるいは人間に置き換えて、個を消している。人間であるための最低限の権利は保障するけれども、人と違う個人であるという最低限の権利は保障しない。個の抹殺です。憲法を少しでも学んだことのある者なら本当にびっくりします。(p. 3)
個が消されているって本当に恐ろしいですね。プロトタイプに当てはまる人間でないと尊厳が大事にされないっていうこと。私なんか確実に人でなし扱いでしょうね・・・。抹殺されるか、プロトタイプにはまって生き延びるか…。プロトタイプにはまらないと生きられない世の中っていうのも苦しいよなー。

高市総務相が放送法について「停波もあり得る」と発言したことについては、2つの問題点を指摘されています。
ひとつは政治的公平を判断するのが政治家では本来ダメだろうということ。もうひとつは、ひとつの番組だけで政治的公平性がないと判断されれば停波し得るとしたこと。(p. 3)
一つめのポイントについては、政治家が「自分に都合のわるいことを放送したら電波停止するよ」ってことですから、それは本来だめですよね…。ひとつの番組だけで電波停止されてしまうんだったら、放送局に務める人間だったら、たいていの人は、かなり慎重になってしまって、政治家に都合のわるいことは言えなくなっちゃうだろうなぁ。私だったら、電波止められても、他の方法で本当のことを言い続けますが。今のうちに、民主的な方法で、止めさせないようにするのが賢明ですね。

電波停止の事例について、高市氏は「テロを呼びかけるような放送」と突拍子もない事例を上げられたそうですが、テロは犯罪なんだから、電波停止ではなくて、「現行犯逮捕」だと山尾さんは指摘。そのとおりだと思います…。なんで電波停止なの? 
結局、問題があるから解決しなきゃいけないのではなく、発言が先にあって、事案を後付けするから、おかしな話になってしまう。(p. 4)
これもよくあるー。正当な理由はないんだけど、何がなんでもやりたい、だから理由と事例を無理矢理あとづけする。なんか、こうやって見ていくと、ある意味、この人たちは、やっぱり日本人の代表なのかも、と思えてしまう・・・。

思惑が先にあって、理由や事例は後付けする、というのは、改憲にも当てはまるという。
憲法改正もそうだと思うんです。最初は96条改正だった。しかし、国民的な常識の中で潰れ、今度は緊急事態条項だと。(p. 4)
インタビュワーの「参院予算委で首相はついに「私の在任中に憲法改正をしたい」と明言しました。」に対して、山尾さんは次のように語られています。
憲法に無知な総理が自己実現のために憲法に手をつけようとしているというこの国の不幸な状況を、次の参院選で脱しなければならないという思いを強くしています。(p. 5)
池上彰さんがかつて、テレビ東京の選挙特番で、安倍首相が解散総選挙をしたのは、おじいちゃんコンプレックスなんじゃないの?と切り込んでいましたが(参照)、改憲も安倍首相の自己実現のためなのか…。こんなの、許せますか? 

保育園問題も「保育園落ちたの私だ」デモ以来、手のひらを返したように、「待機児童問題に取り組む」と言い出していますが、選挙対策だろうなぁと私なんかは勘ぐってしまいます。山尾さんは次のように述べています。
安倍政権は政策の“打ち上げ花火”がうまいので、保育園問題についても、今後、本腰を入れて取り組むのかどうか、チェックする必要があります。(p. 7)
一昨年の秋に女性活躍を打ち上げ、解散をした時に、総理の中の女性活躍の役割は終わった。だから、1億総活躍に衣替えして、今回の女性活躍の予算の柱がトイレになってしまった。(p. 8)
こんなふうにわかりやすい言葉で、国会で何が話し合われているのかを伝えてくださる議員さんがいてとてもありがたいなあと思いました。山尾さんは、社会問題としっかりと向き合って、国民の関心事はこれだろうなというのもよく考えて質疑してくれていて、勇敢に理路整然と議論してくださっていて、今までの議員さんのイメージとちょっと違う。国民の代弁者という感じがします。 こんな議員さんがいてくれたということが知れて、とてもうれしくなりました。

最後に、この国会の映像を見ていて、山尾さんが最後に示された報道の自由度のフリップをご紹介します。

日本の「報道の自由度ランキング*」の推移
答弁の動画より
*詳しくはコチラ→マガジン9「報道の自由度61位」の国で…
民主党政権時代には、日本の報道の自由度は11位にまで復活しましたが、現在は61位にまで転落しています。山尾さんは次のように締めくくられました。
 最後に、報道の自由度ランキングを御紹介して終わりたいと思います。
 
 自民党時代、報道の自由は、四十二位、三十七位、五十一位、三十七位、二十九位。そして、民主党政権になって、メディアに対して大変オープンになり、十一位まで上がりました。現在の安倍政権は六十一位、最悪のランキングです。憲法と人権に関する総理の認識を聞くと、ある意味当然の結果ではないかと私は思いました。
私も、これだけ憲法と人権のことがわかっていない、「言論の自由を大切にする」とは口先だけの安倍首相だからこそ、こんな状態になっているんだということは、深くうなずけると思いました。

また、このときの会議で、玉木雄一郎議員とのやりとりのなかで、高市総務大臣が「憲法9条(注:平和憲法のことですね)改正に反対する政治的見解を支持する内容を相当の期間にわたり繰り返して放送した場合にも、極めて限定的な状況のみという留保をつけながら、電波停止の可能性を否定しませんでした」とあります。

安倍首相の見解を、さらに山尾さんが追及すると、安倍首相もこの可能性を否定しませんでした。安倍さんのは、何を言っているのかよくわからない、ふにゃふにゃした回答でしたが、「それはない」とははっきり言わず、山尾さんは「総理も、憲法九条改正に反対する政治的見解が相当の期間繰り返し報道された場合に、この電波停止の適用があることをお認めになられた。」と事実上認めていると追及しています。

国会の議事録は、初めてじっくりと読みましたが、私には、与党側はふにゃふにゃふにゃふにゃ、詭弁を並べ立てて逃げているようにしか見えませんでした。なんとなく関係のあるような感じがすることを言っているような感じもするんですが、よくよく咀嚼すると、「それって噛み合ってなくない?」「とりあえず言ってるだけだよね?」「内実が伴っていないのでは?」など疑問に思うことがたくさん出てきました。

山尾さんの言っていることは、映像でぱっと聞いただけでもよく理解できるんですが、与党側の答弁は、さっぱり何を言っているのかわからない。私の頭が鈍いのかもしれないが…。山尾さんの切り替えしを読むと、「あ、それならわかる!」という感じ。安倍首相に聞いているのに、高市さんが出てきてしゃべるのも、入れ知恵をしてくれる人からレクチャーを受ける時間稼ぎにしか見えない。

国会って議論をするところだと思っていたんだけど、全然議論になっていなくて、なんか雰囲気でオッサンたちがヤジ飛ばしたり、拍手したり、ダサいなーと思った。だれかわかんないから何言ってもいいみたいな、そういうのダサすぎない? 議論の場なんだから、山尾さんみたいに、ちゃんと最後まで相手の話をよく聞いた上で、手を挙げて発言すべきなんじゃないのかなぁと思った。民進党の全員を信頼しているわけではないけど、山尾さんは、こんなふにゃふにゃしたよくわからない答弁のなかから主張をすくい上げて追求していて、すごいなーと思いました。