20150126

手前味噌

【旧暦師走七日 月齢 5.6 大寒 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)】

大寒に入り、手前味噌づくりにぴったりな時期になりました。味噌作りは寒い季節ならではの楽しみです。

去年は引っ越しのドタバタと重なってしまい、仕込むことができなかったのですが、おととしからお味噌づくりをするようになり、今年は2回目です。おととしは東京に住んでいて、いつも買い物をしていたナチュラルハーモニーさんで、お味噌づくりとその楽しさを教えてもらいました。

今年は麹を福井県のお味噌屋さんのマルカワみそさんから取り寄せして、10キロ仕込む予定です。せっかく香川にいるので、香川県産の原料で、香川県にしかない天然菌の麹があれば、それを使いたかったのですが、残念ながら、原料米が無農薬で無施肥または完熟堆肥のみ(もしくは植物性堆肥のみ)のものも、天然菌だとわかるものも見つけられませんでした(近所で発見した麹は米以外のものもいろいろ入っていてちょっと衝撃でした)。

マルカワみそさんのことは、ナチュラルハーモニーさんで教えてもらいました。お店の方が視察に行ったときに、味噌はみんなが家で作ればいい、できるまで時間がかかるから、切らしてしまった時のつなぎに、うちの味噌が役立てれば、というようなことを代表の方が話されていたとうかがって、儲けではなく人の役に立つことを第一に考えている姿勢が素晴らしいなぁと感動しました。

●マルカワみそさんのウェブサイト:
http://marukawamiso.com/

マルカワみそさんでは、人工的に培養した「純粋培養」の麹菌ではなく、自然に存在する天然の菌「蔵付き菌」を元種に使っています(純粋培養と蔵付き菌について詳しくはコチラ)。ナチュラルハーモニーさんで買ってきていた塩きり麹もマルカワみそさんの蔵付き菌のものでした。自然の多様な菌が存在する中で生き抜いてきた天然の菌なので、発酵していくときも他の菌を仲間にしてしまうようで、初めてだったのにカビも出ず、全く失敗せずにできました。大豆が自然栽培だったのも、発酵をするのに良かったのかもしれません。仕込んでから天地返しもせず、ほったらかしでしたが、フルーティで複雑な香りと甘みで、おいしいお味噌ができました。

ちなみに、純粋培養の菌は、人間に都合の良い菌だけにするために薬品を使ったり、紫外線や放射線を浴びせたり、行き過ぎな操作が行なわれていることもあり、培養するのに多くは「肉エキス」が用いられ、白砂糖や化学調味料も使われることがあるそうですが、ラベルを見ただけでは、どういう操作が行なわれているのか、培養に何が使われているのか知ることができません。製造元に聞いても、「買ってきた菌だからわからない」と言われることが多いそうで、元をたどっていってもなかなかわからないのだとも聞いたことがあります。

自然の食べものについての本で、化学物質過敏症の患者さんの治療をしているお医者さんが、「無添加」「有機栽培原料使用」「無農薬」などと書かれている味噌や醤油でも、人工的に培養した菌で発酵させたものでは、患者さんに症状が出てしまうと述べていたというのを読んだことがあります。残留している化学物質に反応してしまうのだそうです。私はそこまで敏感なほうではありませんが、昔ながらの本物の発酵を復活させてくれたお味噌屋さんを応援したいのと、おいしいものが食べたいので、これからも天然菌を選びたいと思っています。

マルカワみそさんでは、放射性物質の検査も検出下限値1ベクレルと厳しい基準で調べていて、結果も公開されています(大豆は特に放射性物質が取り込まれやすい食材の一つです)。故郷の秋田県のお米で作った麹があったので、秋田のお米の麹にしました。どんな味になるのか楽しみです。