20140926

東京ホームシック

【旧暦長月三日 月齢 1.9 秋分 雷乃収声(かみなりこえをおさむ

個人差はあるにしても、新しい環境に慣れるには時間がかかるもの。私はどうやら時間がかかるようで、秋田から東京に移ったときも、順応するまで2年以上かかりました。思い切ってぽーんと香川に来たときは、その時の苦労など、すっかり忘れていたのですが、順応するまではまだまだ時間がかかりそうで、その頃の苦労をときどき思い返します。

東京と秋田だとまだ距離的に近かったのですが、秋田と香川だと距離的にかなり離れているので、気質がかなり違うと感じます。東京と秋田の違いも大きく感じましたが、秋田と香川の違いのほうがもっと大きく感じます。生まれ育った場所と違いすぎるところに住むってそういうことなんだなぁと、放射能汚染があっても住み慣れた場所に住み続けたい人の気持ちがわかるなぁと思うようになりました。これも人生の勉強と思って受け止めたいと思っています。

こういう話が嫌いな方もいると思います。私は、発言に責任を持つ限り、率直な批判は改善のために必要なもの、「人の振り見て我が振り直せ」に役立つもの、建設的なものと考えています。本当に思っていることを我慢するから、おかしなことが横行する、わがままな人間が得をして真面目な人間が損をする、そんな世の中のままになってしまう、という面もあると思います。ここから先は批判的な内容になりますので、不愉快に思う人がいるかもしれません。読みたくない方は読まないでください。


先日、玉藻公園で開催された瀬戸内生活工芸祭に行きました。全国の作家さんの素敵な作品が見れてよかったのですが、東京ホームシックになってしまいました。

出展されている作家さんは素敵な人ばかりで、好きだなぁと思う作品も多く、作品を眺めている限りはいい時間を過ごせました。が、しかし、お客さんのがめつさに圧倒されてしまいました。

お客さんは主に香川の人のようでしたが、言葉を聞いていると、西日本の他の地域から来ている人もいて、関東方面からも少しいたように思いました。この無遠慮さは、西日本特有のものなのだろうか。親しみやすさに感じられて心地いいときもありますが、処し方に慣れず、不快に感じることもあります。

具体的には、私が神経質なのがいけないのかもしれませんが、作家さんが真剣に作った作品に対して、一緒に来た人どうしで、「作り方、教えてあげたら?オホホ(注:話者は自分で作ったことは一度もなさそう)」「(丸い皿を指して)四角ければいいのに」などと、作家さんに聞こえよがしに無責任な批判をしたり、まわりの人が見たそうにしているのもお構いなしに、尻で人を避けながら長々と写真を撮りまくっていたり、知ったかぶりで天狗になった野次馬が我が物顔で批評を繰り広げていたり…。

縁側のガラスがきれいでした
はたまた、地元のコーヒー屋さんが出店していた会場になっていた、歴史的建造物(左の写真はその一部屋)の畳の間では、着飾った若い女性が太い足を投げ出して寝転がっていたり、男女問わず昼寝をしている人がゴロゴロいたり、いい年の女性が縁側で化粧をしていたり…。下品というか、芸術を解さない客が多過ぎて閉口しました。

東京だと、美術の展示やイベントごとが多く、ただの珍しいもの見たさの人は来ないというのもあるとは思いますが、暮らしで使う道具である民藝品の展示ような気負わない芸術のイベントには、本当に手作りの作品が好きな、品のいいお客さんが多かったように思います。こういうイベントで嫌な気分になったことがなく、行くのが好きだったので、東京は良かったなぁとホームシックになってしまいました。

それから香川では、おいしい食べ物屋さんが出店するイベントでは、食べたかったら、開始時間に行かないとなくなるようです。買い占める人がいるのか、それともお店の人が少ししか用意していないのかわかりませんが。開始時間から1時間しないうちに到着したのですが、私が着いた頃には、売り切ればかりでほぼ食べ物がない状態でした。何度もこういうことには遭っていて、早めの昼ご飯を軽く食べて、期待せずに行ったので、私は問題なかったのですが、旅行で遠くから来たように見える人たちが「食べるものないじゃん!」と言っているのを聞いて気の毒に思いました。地元の人間ならまた機会があるけど、旅行で来た人はなかなか難しいでしょうから。。。ご近所さんが「讃岐の人間は欲張りでわがままです。私も含めてね」と最初に教えてくれたのを思い出しました。

東京の感覚だと(秋田ではこういうマルシェに行ったことがないので)、私的にはですが、開始時間ぴったりに着くと、出展者側がまだバタバタしているかもしれないので、少し遅れて着くほうが配慮がある感じがして、今回も少し遅れて着くようにしましたが、出展されていた男性に話を聞いたら、「開場時間の前からどーっと並んでいてびびった」そうです。以前、パン屋さんが集まるイベントに行ったときも、11時〜16時のマルシェだったので、12時少し前に行ったら、ブースには長蛇の列ができているのにパンはあまり残っていない状態で、並んでも買えそうにありませんでした。こちらでは、お目当てがあったら開始時間にが鉄則のようです。私はもう行かなくていいかな。。。

私もがめつくなれば楽に順応できるのかもしれないけど、それはしたくありません。多数派にただ染まるほうがそれは楽だけど、自分を保ったままでいたいと私は思います。以前、世界のあちこちに住んできた仕事仲間から、違いすぎるところに住んだことで、どこにいても自分でいられるようになったという話を聞かせてもらったことがあります。落胆することがあっても、それはそういう貴重な訓練なのかもしれません。

最後に。香川県の方々の名誉のために付け加えます。わがままな人、欲張りな人が多いせいか、いい人のいい人度合いはずば抜けているように思います。香川で出会ういい人はめちゃくちゃいい人で、ホスピタリティに溢れる度量の広い人です。私もそんな器量よしになれるように見習いたいです。