20140826

この結論でほんとにいいの?


写真は、共同通信が配信し、8月25日の四国新聞に載っていたニュース。

福島で甲状腺がんの子どもが57人に増えてしまった(疑いも含めると103人)。放射性ヨウ素は甲状腺にたまりやすく、チェルノブイリ原発事故でも子どもの甲状腺がんが増えた。なんで大人たちの過ちのせいで子どもが犠牲にならないといけないんだろう。
*ご参考:<ミンスクシンポジウムでの報告より>チェルノブイリ事故による内部被曝と防護対策の有効性
Y.ケーニグスベルグ、E.ブグロワ(ベラルーシ保健省・放射線医学研究所)

新聞では「発症率が地域間で差はない」という調査結果から、「甲状腺がんが放射線の影響とは考えにくいという福島県の見解を裏付けた」という結論を持ってきていたが、これはどうだろうか?この結論で本当に良いだろうか?(四国新聞のWEB版には全文がなかったので、構成がよく似ていた時事通信のニュースのリンクをのせます)

ある調査によると、マスコミを鵜呑みにする割合は日本人は異常に高く、7割以上だという。アメリカでは26パーセント、イギリスで14パーセントだそうだ(「できた!電気代600円生活」のp. 51を参照)。

知識が全くない状態でこの記事に当たったと仮定して、批判的に読んでみたとすると、ぱっと思い浮かぶおかしな点を以下に挙げたい。

  • これまでの研究で、甲状腺がんができる要因は何だと言われているかに全く触れられていない。
  • 調査結果から導いた結論について、なぜそう言えるのかという説明が省略されている。
  • 「放射線の影響とは考えにくい」と言うが、放射線を浴びるのは全身のはずなのに、なぜ甲状腺のがん(首の横)だけが増えるのか、説明がない。
  • 地域差がない、と言うが、比較している福島県内の空間線量はそれぞれどのくらいで、どの程度の差があるのかも書かれていない。

繰り返しになるが、甲状腺がんは、原発から放出された放射性ヨウ素は甲状腺にたまりやすい。だから、外から浴びる放射線よりもむしろ、放射性物質を飲食や呼吸などによって身体の中に取り込んでしまう内部被曝が原因になっている。外部被曝と内部被曝をすりかえて騙そうとでもしているのだろうか。

汚染されたものを気にせずに食べ続けていれば、内部被曝をしてしまい、甲状腺にたまった放射性ヨウ素ががんを引き起こしているのではないだろうか。食べ物や水などによる内部被曝が主たる原因であれば、地域差が出ないのは当たり前だ。福島県で流通している食べ物は汚染を受けた地域のものが多いだろうから。記事では、内部被曝については全く触れられていなかった。福島県では、地産地消だ、風評被害をぶっ飛ばせ、と、検査もしていない福島県産米を子どもたちに給食で食べさせようとまでしている。とんでもない話だ。

また、事故当時の一番たくさん放射性物質が降り注いだころにどれだけ浴び、吸い込んでしまったかのほうが、現状の外部被曝量よりも関係性が高い。しかし、検査を求める声が上がっていたにも関わらず、それについては調べられていない。放射性ヨウ素は半減期が8日と短いため、時間が経ってしまうと、事故当時にどれだけ内部被曝をしたのかがわからなくなってしまう。時間が経てば経つほど、因果関係が証明できなくなってしまうため、東電に責任を問うことが難しくなってしまう。

また、福島県全域、いや、東日本の広い範囲に、ホットスポットと呼ばれる放射性物質がたまっている場所があり、そんなところで屋外活動をしたり、土に触ったりすると呼吸による内部被曝のリスクも大きい。原発からは今も放射性物質が大量に出続けている。地域差が出ないのは、こういったことも関係しているのではないだろうか。

知識がない記者が、福島県の発表をただ無批判に横流しにして配信しただけで、ジャーナリズムが機能していない。もっと使命感を持って、真実を伝えるジャーナリストが増えてくれることを願う。

ネットで検索してみて、一つだけまともなマスコミの記事を見つけて、まだ希望が見えるなぁ、と思ったので、載せておきたい。信濃毎日新聞の社説だ。複数のメディアがどのような報道をしているかを比較してみると、おかしな点に気付くこともある。

ネットで串刺し検索した限りでは、横流しが大多数だった。こんな報道を鵜呑みにしていたのでは、原発事故が原因ではないと勝手に結論を持って行かれてしまい、がんになってしまった子どもたちは十分な補償やサポートが受けられなくなってしまう。おまけに汚染された食べ物を給食で食べさせられてしまう。

現状のマスコミはこんな状態なので、批判的に向かわないといけないと改めて思った。自分の頭で考える癖をつけ、正しい情報を広げることが、世論を変え、理不尽な目に遭わされている人を助け、世の中を良くすることにつながるのではないだろうか。