20140122

宇都宮けんじさん0121記者会見メモ(後編)

昨夕行なわれた宇都宮けんじさんの具体的な政策に関する記者会見のメモ(後編)です。質疑応答の部分になります。
*宇都宮けんじさんの政策はこちら→http://utsunomiyakenji.com/policy/
*記者会見の録画映像はこちら→http://www.ustream.tv/recorded/42939572
(一部途切れています)
*前編はこちらです→宇都宮けんじさん0121記者会見メモ(前編)


〈質疑応答〉
Q. 毎日新聞さん:他の候補者は政策を発表していないという現状についてどう思うか? とはいえ、宇都宮さんも公示日の前々日に政策集を発表され、それでも遅いという人もいるかもしれないが、それについてはどう思うか?

A. けんじさん回答:
・もう少し早く出したほうがよかったかもしれないが、基本的な骨子は(立候補表明時の)記者会見でも紙で配布、内容も口頭で説明した。
・内容について具体的な数値や過去の都政の状況について調査研究するのに時間がかかってしまった。
・現場を視察したり、ブラック企業のプロジェクトチームや女性の人権の全国ネットワークの集まりに出席したり、都民のみなさんと2回にわたって希望の政策フォーラムを開かせてもらい、そこで貴重な提言等もあったので、そういう取り組みの中で出された意見を反映して作るために時間がかかった。
・結果、より豊富な政策になってきているのではないかと思う。

・ほかの候補者が骨子ですら出していないことについては、個人的には残念に思う。
・都知事になったらさまざまな課題があり、それについて候補者がどう考えているのかについて、都民のみなさんも関心を持っておられるのではないかと思うので、できるだけ早く政策を公開していただき、できるならいろいろな公開の場で討論していきたい。


Q. 新聞赤旗さん:消費税増税になったら、公共料金の値上げは行なわないということだが、増税分を上乗せしないということか。増税分を上乗せしないなら、その分はどうするつもりか。

A. けんじさん回答:
・消費税増税には私は反対している。
・しかし、今の政府の考え方は4月から5%から8%に増税するという方針のようなので、そうなった場合は、都営交通の公共料金も3%上乗せされる。
・上乗せされた増税分については、都が負担をして、都民のみなさんの生活に消費税増税のしわよせが行かないようにしたい。
・過去にもこういう措置をとったことがあると聞いている。私が知事になったら、都営交通については現行の料金を維持する。


Q. 日経新聞さん:都知事選の投票率の見通しについてどう思うか?本来どういう形が望ましいのか?

A. けんじさん回答:
・望ましいのは、都知事選に多くの人に関心を持ってもらって、投票に行ってもらうこと。
・先日行なわれた名護市長選挙では投票率は75%くらいとたいへん高い投票率だった。
・前回の都知事選のときは60%くらいで、その前の都知事選よりは高くなっているが、前回は同時に国政選挙も行なわれたということが影響しているのではないか。今回は国政選挙とは重ならないので、投票率低下はありえるのではないかと心配している。
・前回でも400万人の人は投票してない。前回投票されなかった方にも、1票で都政を変えられるということを訴えて投票率を上げたいと思っている。
・選挙期間中も、候補者どうしの公開討論会を呼びかけていきたい。
・私たちの陣営でも、選挙に関心を持っていただけるような働きかけをずっとやっていきたい。


Q. 読売新聞さん:金がかかりそうな政策が多いが、財源はどうやって確保するつもりか?

A. けんじさん回答:
・東京都の一般会計は6兆円、特別会計等が6兆円、全部合わせれば12兆円。スウェーデンの国家予算に匹敵する。
・国は1000兆円くらいの赤字を抱えているようだが、東京都は幸い、健全財政で、東京都にはわずかな赤字しかない。自由に使えるお金も備蓄されている。
・例えば、アクションプラグラム2013を見てみると、大型開発に8380億円(全財源の31.3%)使う予算を立てているとなっている。これに対し、高齢者対策にはわずか3%、少子化対策に2.4%。こういう予算の割り振りを少しだけ変えるだけでも可能。

・こうした政策は経済と無関係ではない。保育園を作るためには保育園を建てる人が必要であるし、保育士も必要となり、新たな雇用が生まれる。介護を充実させようと思ったら、介護でも雇用生まれる。
・社会保障というのはほとんど消費されるので、福祉の充実というのは内需の拡大につながる。
・都営住宅の建設にも新たな雇用が生み出される。耐震化工事や不燃化工事、老朽化施設の補修などの震災対策も新たな雇用を生む。これらも全て、内需の拡大につながっていく政策。
・再生可能エネルギーの普及も新たな雇用を生み出す。
・全体として働いている人の賃金を上げることが経済の活性化に非常に重要だと思っている。デフレの原因はそこにある。

・平均賃金が高かったのは、1997年(467万円)をピークに毎年下がってきて、2012年は408万まで下がっている。
・労働者全体の取り分は1997年と比較して25兆円減っている一方で、GDPは僅かながら上がっている。つまり、富の創出は上がっているのに、労働者への配分が減っている。
・25兆円がどこへ行ったかと言うと、株主配当や企業経営者の収入、会社の内部留保などにまわっていて、これらは約10年間で10倍くらいになっている。
・年収5千万を超える高額所得者がこの10年間で3倍に増えている。ワーキングプアが増えたとか、国民生活が苦しくなったということだけではなくて、金持ちがめちゃくちゃ増えている。もっと問題にしないといけない。

・サラ金運動やっていたとき、サラ金の金利が高すぎるから下げなきゃいけないと、与党の国会議員を説得する材料に国税庁が発表する高額納税者の一覧表を持っていったのだが、高額納税者ベスト10に必ずサラ金のオーナーが入っている。こんなに金が儲かっているのにもっと金利を下げるべきじゃないか、もっと下げても経営は大丈夫なんじゃないかと説得してまわっていた。
・ところが、2005年か6年から高額所得者の一覧表の発表を国税庁は中止。貧困と格差がどんどん広がっているのではないか。
・年収200万円以下の人が1000万人を超えていて、ブラック企業は増える、過労死、過労自殺は増える、こんな状況下で年収5000万超える高額所得者がめちゃくちゃ増えてる、こんなことは頭に来る。こういう問題を隠蔽しているのではないかと思わざるをえないくらいの問題。

・しかも高額所得者に対する所得税の累進課税はずっと下がってきている。1980年の累進課税は75%だったが、今は40%にまで下がっている。前回の3%から5%への消費税増税時に法人税と所得税の税率は下がっている。こういうことを経団連が要求している。
・税収が減った、かたや、少子高齢化で社会福祉にお金が必要になっている、だから消費税増税だという考え方自体が非常に単純だし、問題だと思う。
・消費税増税というのは、低所得者の人は全部生活費に回すので、全部課税されてしまう。年収5000万を超える人は全部消費はしないので、一部しか課税されない。消費税とは非常に逆進性が強い課税である。

・日本では1400兆円くらい個人金融資産があり、不動産も合わせると8000兆円の個人資産がある。ここに1%の富裕税をかけるだけで80兆円の税収が生まれる。しかも、そういう人たちの金融資産というのは貯金してほとんど市場にまわらないから、経済的には(そのままだと)意味がないわけで、そういう税収の手当も考えられる。
・今の国税収入というのは、消費税と所得税と法人税合わせて40兆円くらい。半分は国債を発行してまかなっていて、足りなければ政府は消費税をどんどん上げていくということだが、実は1988年、消費税3%導入の直前の所得税と法人税の水準に戻せば、60兆円の税収が増える。こういう可能性も検討してみるべきではないか。
・税制全体のあり方を考えるべきである。

・貧困と格差をなくすための重要な政策としては、富裕層に課税を強化して、社会保障という制度を通じて、所得の再分配をやらないと、貧困と格差はなくならない。
・政府の政策自体が、貧困と格差をどんどん拡大しており、それによって内需の拡大が阻まれるのでデフレを強化している。
・こうした経済政策には本当は国に取り組んでもらいたいが、東京都としてできることは、そういう社会保障の改悪、消費税増税が都民の生活にしわよせがいかないように、都の財政で支援をしていく。その1つが公共料金は維持していくという考え方である。


Q. IWJさん:細川さん一本化しろという声もあり、細川さんがリベラルだと捉える報道もあるが、細川さん路線で反戦争、反改憲が実現できるだろうか?

A. けんじさん回答:
・私たちも脱原発を掲げていて、小泉さん、細川さん陣営が脱原発で戦い、脱原発の問題意識が都民の間で広がるのは歓迎している。
・一部の市民運動をしている方から一本化の話が出てきていたが、都政の中ではさまざまな問題がある。とりわけ、憲法9条改正の問題、特定秘密保護法の問題、これらは非常に重要課題だと思う。
・憲法9条改正の問題、特定秘密保護法の問題について細川さんは何も語られていない。小泉さんもどう思っているかわからない。
・ただ、小泉さんは貧困と格差を広げた人だと思っている。小泉さんが総理大臣だったときに一番市場原理主義的な政策がとられて、派遣労働が拡大し、貧困と格差が広がった。年越し派遣村を生み出した張本人だとも言える。
・それらの点についてどういうすり合わせをされているのか、とりわけ、改憲阻止、秘密保護法案に対して、このへんに関しては、私からは決めつけることはできないので、むしろその点については、(ジャーナリストのみなさんには)細川さんの対応を明らかにしていただきたい。


Q. 週刊金曜日さん:都独自の自体では富裕層への課税を考えているのか? 脱原発については、新潟の泉田知事をはじめ全国の自治体首長さんと連携して取り組んでいくことについては考えているか?

A. けんじさん回答:
・富裕層への都独自の課税が可能かどうかは、十分検討しきれていない。可能であれば検討しなけらばいけないと思っている。

・脱原発の取り組みについては、全国の脱原発を目指す地方自治体との連携は強化したい。
・地方自治体独自の取り組みがたくさんあることは私は知っているが、首都東京がそういう発信をするということは、これまで取り組まれてきた脱原発の首長さんたちの運動を大いに励ますことになると思う。


Q. 共同通信さん:具体的に有権者の方と話して生まれた政策はどれか?告示後に向けて、選挙戦での課題は?

A. けんじさん回答:
・政策集の6番目「女性の意見が反映され、人権が尊重される東京に」で「副知事1人を女性(知事に任命権がある)とし、東京都の審議会や管理職に女性を登用する」とした。
・これは先日、女性と人権ネットワークのフォーラムに出て、女性団体のみなさんから、男女平等に関する世界的な調査では日本は130何カ国のうち105位、男女不平等の筆頭に近くになっているとうかがって、東京都としては、上記の政策を通じて男女格差の解消に取り組む。
・公契約条例で、東京都が発注する公共事業において、受注する企業が男女平等を確立しているかどうかも取引要件にしていいきたい。

・「(5) だれもが安心して医療を受けられる東京をつくりだす」というところに「子宮頸ガンワクチンについては、深刻な副作用の報告があることを踏まえ、副作用の実態を調査し、予防原則に基づいて対策を講じます。」とした。具体的な生々しい話を聞かせていただいたので、これを政策に入れた。
・実はこれは、IWJの岩上さんのイベントに出席する機会があり、子宮頸がんワクチンの副作用被害者の母親が持参したお子さんの動画を見た。水俣病患者と非常によく似ている。
・子宮頸がんワクチンについては副作用の原因究明ができるまで中止すべき。副作用被害者の保障をしていかないといけない。
・今のところ、因果関係が解明されていないということだが、全国で同様の副作用が発生していると聞いている。接種を続けるという向きもあるが、これには断固反対しないといけない。
・放射線被曝の問題もそうだが、水俣病もメチル水銀が蓄積した魚を少しずつ食べて蓄積して発症したが、発症してからでは遅く、もう手遅れである。発症する可能性があるときは、その可能性を排除する(=予防原則)というのが賢明なやり方である。

・いろんなところで話を聞くのは非常に重要だということを改めて確認した。
・都知事になったあとも、私は都庁舎に閉じこもっている知事にはならない。都内各所に行って、住民と対話集会を重ねる。そうでないと生の都民の声を聞くことができない。
・今回、対話集会を重ねたことでいろんなヒントやアイディアをたくさんもらった。選挙戦のためだけにやるのではなくて、知事になった後も対話集会をやる必要があると思う。
・膝を付きあわせて住民と話をして、都民の声に耳を傾けて、その声を都政に反映していくのが都知事の役割だと確信した。

・選対の課題は、前回も仲間ががんばってくれたが、ある意味内輪ノリだった感がある。関心のない都民にどうやって関心を持ってもらうのが課題。まわりに一回り二回りと広げていけるかというのが重要な課題で問題意識をみんな持っている。


Q. 東京新聞さん:国立競技場について確認だが、今の案を小さくするのか? それとももとの競技場を直すという意味か?

A. けんじさん回答:
・基本的には今の競技場を修理すれば十分対応できるのではないかと思っている。
・現行の案では、8万人収容するような巨大ないれものを作るつもりのようだが、オリンピック後が大変である。8万人が集まるイベントはどういうものが考えられるかというと、今のところ考えられるのは嵐のコンサートとAKBのコンサートくらいのもの。そうすると、何千億円もかけて作ったようなものが赤字経営になってしまう。
・今の構想だと、8万の席を常設することになっているが、ロンドンオリンピックのときは、半分以上の席が仮設のベンチを作り、終了後に取り払った。そういうことをやっているほかの開催地のことも考えて、バカでかい入れ物をつくりゃあいいというもんじゃない。作った後どうするのか? これでは予算だけ使ってあとは赤字になる。今のメインスタジアムを見て、これを補修すれば十分だという感想を持った。
・政策集では、「コンパクトで、シンプルで、エコロジー重視の大会をめざします。都民の税金を無駄に使わず、自然・生態系を損なわず、大型開発を行わないようにします。―新国立競技場については、規模・経費・安全・景観の観点から、新設案を見直し、現競技場の改築案も検討するよう要請します。―オリンピックの財政は透明にし、都民に情報を公開します。」としている。


Q. 朝日新聞さん:前回の選挙時の政策集の中にはあったが排除したもの、または大きく加わったものはあるか?

A. けんじさん回答:
・前回の選挙で掲げた基本政策は引き継いでいる。
・大枠で重要項目として入れたのは、防災、当時は招致が決まっておらず新たに招致が決まった東京オリンピック、新たに起こった猪瀬さんの金の問題については新たに取り入れている。


=====
質問を聞いていて、「投票に行く重要性を伝え、各候補者の政策をわかりやすく伝え、有権者に考える材料を与えれば投票率は上がる。そうやって投票率上げるのは、報道機関の役割では?投票率の予測ばかりだから、投票に行く人が減るのでは?」(ちょっと怒)と私は思ってしまったのですが、宇都宮けんじさんは穏やかに、聞かれたことに対する考えと、投票率を上げるために、自分たちがやろうと思っていることを答えていて、ちょっと怒った自分を反省しました。けんじさんは、私たち普通の人間の目線で、つらい思いをしている人の気持ちをよくわかって、一緒に怒ってくれて、一緒に一生懸命解決しようとしてくれているんだ、と、記者会見を聞いていて改めて思いました。こんな立派な人が都知事に立候補するなんて、いい時代になったなぁとうれしいです。